Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

下北沢を散策☆ 吉本ばなな「下北沢について」を片手に (文学散歩)

私が下北沢に惹かれたきっかけは

一冊の本との出会いから始まります。

下北沢について (幻冬舎文庫)

1、吉本ばなな「下北沢について」

 

裏表紙の内容紹介文を読んで、

下北沢のガイドブック的なエッセイを期待して買ったのですが

実際は、ずいぶん違った内容でした。

このエッセイに名前が出て来るお店の数々は、

現在、もう閉店してしまっているものがほとんど。

意図的に名前を伏せてある店もあります。

 

それでも、読了してみると、「読んでよかった」と思えました。

下北沢に住んでいた吉本ばななさんが

その時に見た光景、思い出、空気感を閉じこめたような一冊。

在りし日の街の姿、いまはもういない近所の住人たちや

幼かった頃の我が子の姿、住んでいた家と、

家にまつわる様々な出来事・・・

吉本ばななさんならではの視点で

温かくも懐かしい下北沢の街が描かれます。

そこにあったのは、「いまの下北沢」ではなく

昔の下北沢の温かさ、懐かしさ、親しみ・・・ノスタルジー

良い意味で予想を裏切られました。

 

エッセイに登場するいくつかの有名なお店は、今でも残っています。

吉本ばなな「下北沢について」を手に、

実際に下北沢の街を歩いてみることにしました。

初めての下北沢!どんな出会いがあるのか?と

期待に胸を膨らませながら。

下北沢へ行ったのは2021年12月18日なので

情報、写真はすべてその当時のものです)

 

じっくり読むというよりは、本の中に閉じこめられた空気をふわふわと味わう感じの読書がおすすめ。

吉本ばななさんの、下北沢での濃い思い出がぎっしり詰まった一冊です。

 

2、本屋B&B

 

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下北沢といえば、超有名な、この本屋。

吉本ばななさんは本屋B&B

「本の宝箱としか言いようがない、足を運ぶのが幸せな実店舗」

と表現しました。

この本屋の何が特別かといえば、

スタッフさん自らが面白そうな本を一冊一冊選び

テーマ別に並べているところです。

だから、フツーの書店には置いていない本も、たくさんあるし

難しそうな本の隣に、児童書があったりするのです。

「出会い」を大切にしているという店長さんの想いが伝わってくるお店。

普段は、決して手に取ることがない本に出会えたり、

こんな繋がりが!?と発見があったり。

だから、こんなにも愛されているんだな、この本屋は。と、

心から納得しました。

 

 

B&Bで私が買った本は・・・

 

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初めて手に取った幻想小説西瓜糖の日々 (河出文庫)

幼い頃に夢中になって読んだ銀のくじゃく (偕成社文庫)

本屋B&Bの書店員さんが発行しているリトルプレス、「朝の番」など。

普通の書店なら、きっと手に取ることはなかっただろう本に出会えました。

そしてB&Bの良いところは、無料のフリーペーパーが充実していること。

無料とはいえ、中身の濃さにはびっくりの冊子ばかり。

 

本との「出会い」を楽しむための、まさに「宝箱」のような本屋さんで

素敵な時を過ごせました!

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本屋B&Bから、少し歩いたところから見えた山。

浅間山・・・??

外国人や通りすがりの人もカメラを向けていました。

 

3、「つきまさ」で、ひと休み

 

3時のお茶の時間。

日本茶喫茶「つきまさ」へ

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吉本ばななさんも、息子さんと、

この店を何度も訪れたそうです。

昔は、「美人で色っぽいりえちゃん」がいて、

大きな金魚を飼っていたそうですが

いまは、お店の入り口でカメさんが首を出していました。

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かめさんが、かわいい!

 

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 お茶の道具も売っています。

 

土曜日の午後ということもあるのか、賑わっていました。

私は迷わず抹茶ゼリーセットを。

ばななさんの息子さんの好物と書かれていたので、

気になっていたのです。

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抹茶ゼリーは、抹茶のお味が濃くて、

良質の抹茶を使っているというのがよくわかりました。

上にとろりとかかっている白いシロップが甘く、

抹茶ゼリーのお味を、程よく中和してくれます。

とっても美味しくて満足。

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主人が注文したセット。

急須のお茶がついています。

 

帰り際に、店主のおじいさんが、福引を勧めてくれました。

主人はハズレだったけど、私は絵馬が当たりました~(年末だったので)

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前のお客さん3人もハズレだったから、もしかしてレアなのかも☆

お正月は、この絵馬を飾っていました^^

吉本ばななさんの息子さんは、このお店でお土産にもらう

星形の飴が好きだったのだそうです。

この店には、そういう、ちょっとお客さんが笑顔になれるおまけが

あるんですね♪

 

4、下北沢南口商店街に、びっくり

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エッセイ「下北沢について (幻冬舎文庫)」にも登場する

下北沢南口商店街。

このエッセイだけを読んでいたら、

ひなびた下町の温かさを感じますが・・・

とんでもありませんでした!!

 

古着と古本、そして若者の商店街!

こんなにたくさんの若者たちを見たことがない!ってくらい

道路いっぱいに歩く人が、全員、10代から20代前半!

これだけ古着の店があったら若者が集まるのも無理はないかもしれませんが。

アラフォーの夫婦は慌てました。

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こんな感じの古着屋さんが、わんさか!    写真:下北沢 wiki

 

そう言えば、2021年12月11日に開催された

トークショーに現れた吉本ばななさんは、

黒髪で先だけ金髪、全身ロックなスタイルでした。

若者の街:下北沢にルーツがあるから、

吉本ばななさんのファッションは、

文学者のイメージからはかけ離れた、

どこか若者らしいパンクさがあるのかもしれないなぁーと納得。

 

 

 

5、最後はマジックスパイスで夕食を。

 

最後はマジックスパイス

カレー激戦地の下北沢で大人気というだけで

期待度マックスだけれど、

エッセイ「下北沢について」の中のエピソードを読んで

すっかり行きたくなった私。

 

引っ越したばかりの家の階段から転げ落ち、

お尻の骨を強打したばななさん・・・

それでも、仕事があるため、飛行機に乗って札幌へ。

どんなにか痛かっただろうと思うのですが、

大雪の中、「マジックスパイス札幌本店」に通うのです。

激痛に耐えながら食すカレー。

良いスパイスを摂り、どんどんスープカレーの虜になっていく

ばななさん。

あの甘い味が深い優しさに思えてきた。(略)

決められたコンセプトやアジア風という漠然としたイメージでできているのではなくて、全てが深いところから理由があって出てきている感じ。

私の尾てい骨は痛いままだったけれど、気持ちは元気になった。

あの食べ物の中に愛がいっぱい入っていたから。

(P90)

そう、なぜかこの箇所だけ舞台は下北沢ではなく

札幌なのですが。

 

私も来ました・・・!

心の底から元気になるために!

 

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下北沢の闇に浮かび上がる鮮やかなネオン。

夕方5時だったこともあり、すんなりと席に案内され

店内は空いていました。

コロナ対策も徹底していて、ひとつひとつの席が区切られているので

安心できました。

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中には、ガネーシャさまがたくさんいて、

いたるところにテレビが吊り下げられ、

インドかタイのテレビ番組(?)が流れているという独特の雰囲気。

お料理が出て来る前から、タダモノじゃない

猥雑なムードが、たまりません。

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ちょっとチープなアジアンへ来た感じが、楽しい。

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スープカレーは、辛さのレベルによって、名前がつけられています。

一番下の「覚醒」は小学生でも食べられるレベルだそうです。

私たちは「瞑想(下から2番目)」にしました。

 

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野菜たっぷりのベジマッシュカレーとラッシー。



スパイスの効き方が、今まで食べてきたカレーとは

全然違う・・・

このカレーを一口食べれば、このお店の名前の由来が

わかります。

まさにスパイスがぎっしりと詰まった味だから。

 

実は私、ランチに美味しい大きなピザを食べてしまい

まだお腹がいっぱいだったので単品で。

お腹がいっぱいでも、不思議とぺろりと食べれてしまう、

優しくて深いお味。

次は、肉系のカレーに挑戦したいと思います。

 

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主人が注文したクリスマスセット。

 

 

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 レジの横には、インドやタイのお守りやお香、

ガネーシャやらがいっぱい売っているスペースが!!

 

通いたくなる要素いっぱいのマジックスパイスなのでした。

 

 

マジックスパイスのマスターの本。↑↑

ばななさん曰く

マジックスパイスのマスターは「数奇な運命をたどって、

スパイスカレーで人に健康をあげたいという宿命にたどりついた

ものすごいツワモノ」なのだそう。

なんだか、カレーの味の中にその強烈さを感じる・・・!

 

4、最後に  ~作品と、舞台と~

 

私は文学作品とその舞台となった土地に、とても興味があります。

①作品を読んで、その土地を想像し、味わう

②実際に訪れて、作品に想いを馳せる

③もう一度、作品を読み返して、その土地を思い出す

文学作品には、3回以上の味わいがあるのだと思っています。

今回、私は全く下北沢のことを知らずに

吉本ばなな「下北沢について」を読みました。

下北沢の地を、この足で歩いたいまは、

もう少しだけ深く作品を読めそうな気がしています。

下北沢は、ディープな街。

訪れれば訪れるほど、深みにハマってしまいそうな予感が

ビンビンしているのです。

他にも、吉本ばななさんの著書には

もしもし下北沢 (幻冬舎文庫)

という小説もあり、次はそれを読んでから、

またあの街を再訪したいと思っています。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

<文学散歩と読書の過去記事>

 

miyukey.hatenablog.com

 

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