2024年になって、早くも10日が経ちました。
今年は思いもよらない一年の始まりとなってしまいました。
能登半島地震で被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
大阪も、かなり長く揺れました。
小さな地震ですら怖いのに、被災地の方々はどんなに恐ろしかったか・・・
ニュースを見る度に胸が締め付けられます。
どうかこれ以上被害が広がりませんように、心からお祈りするばかりです。
0、2024年は源氏物語が話題に・・・?
今年は大河ドラマ「光る君へ」が始まることもあり、
昨年から書店では源氏物語のコーナーが設けられたり
テレビで特集が組まれたりと、何かと話題になっていますね。
今回は、源氏物語の主人公の名を冠した花と
私の大好きな江國香織さんの短編を紹介していこうと思います。
1、宇治市源氏物語ミュージアムと、光源氏のツバキ
源氏物語の「宇治十帖」の舞台が目の前に・・・☆(2023年11月撮影)
源氏物語がお好きな方は一度は訪れたことがあるのではないでしょうか。
物語にまつわる様々な古跡、源氏物語モニュメント、紫式部の像、
宇治市源氏物語ミュージアムでは、人形や音声で源氏物語の世界観が再現されています。読んだことがある人もない人も、古典の魅力にどっぷり浸かれる素敵な空間☆
平安時代の人々の生活や宮中の様子が楽しくわかる展示も。
宇治上神社や源氏物語ミュージアムのすぐそばに「さわらびの道」があります。
木漏れ日が躍る気持ちの良い緑の静かな道を歩いていると・・・
一本の木に出会いました。
「ヒカルゲンジ(光源氏)」。
私が訪れた11月は、残念ながら花の時期ではありませんでした。
でも、その木の上品で美しく、どこか匂い経つような佇まいは
私が抱いている光源氏のイメージにピッタリでした。
(看板の写真を拡大しました)
江戸椿の代表的な品種だそうです。
意外にも育てやすく、庭木としても適しているとか・・・。
開花は1~4月。
ピンクに白い絞り模様があるだなんて、どんなに華やかでしょう。
開花時期に合わせて、ぜひ訪れたいものです。
宇治市源氏物語ミュージアムで放映中のミニムービー「GENJI FANTSY ネコが光源氏に恋をした」は
この椿の花の前で、ある女子高生が時を超えて光源氏に出会い
紫式部の時代にタイムスリップするというアニメ。(約20分)
紫式部の日常や時代背景が楽しく理解できるので
こちらもおすすめです。
「GENJI FANTSY ネコが光源氏に恋をした」に登場するネコ。
かわいい♪
平安時代にタイムスリップした女子高生は猫に変身し、紫式部の生活をのぞき見します。
2,江國香織ワールド全開の源氏物語「夕顔」の巻
収められています。
本の後ろに付けられた説明書きによると、これは
「6人の作家が源氏物語の現代語訳を競作する、という『新潮』の企画で書いた一編」
なのだそう。
読んでみて、
「こんな源氏物語、読んだことない!!!」ってなりました。
江國香織さんが独自に解釈した「夕顔」の章が、
繊細なガラスでできた絵を一枚一枚めくっていくような美しさで展開されていて
とっても素敵なのです。
1000年以上も前に描かれた古典を、こんなに自由にアレンジできるなんて、さすが・・・!
でも、古典のまま忠実に源氏物語を楽しみたい方は、この小説は受け入れられないかも。
例えば光源氏が夕顔に「マ・シェリ(フランス語で恋人に呼びかける言葉)」と
言うなんて、考えられない。
夕顔がちょうちょが大好きだったり、
お忍び先の別荘で、二人で惟光が差し入れた「涼しく、みずみずしく甘い」梨を「しゃ
りしゃりと」食べるシーンなんかは、
まさに江國作品らしさが出ています。
ありえないんだけど、もしかして夕顔と光源氏は、そんなこともしたかもしれない
と思わせてくれるあたりは、筆力の素晴らしさでしょう。
窓のそばで二人が寄り添い、荒れ果てた庭を眺めるシーンは
源氏の君がたきしめた香りや、夕顔の小さくて白い横顔、
二人のまじりあう体温までもが感じられるように思えました。
江國香織ワールドを存分に楽しめる一篇なので、
江國ファンの方は一読の価値ありです。
いつか、源氏物語の他の章の小説も、江國香織さんに書いてほしいなぁ。
最近出版された江國香織現代語訳の「更級日記」も、今年、読みたい本のひとつです。
3、最後に。。。
飽きっぽいズボラな私でも源氏物語を楽しみたい
源氏物語って、長~~~いですよね!
パソコンもワープロもない時代に、よくぞあの長編を書き上げたものだと思います。
読むほうの私たちにしても、相当の覚悟が必要なわけで(汗)
飽きっぽくて、いろんな本を読みたがりで、しかもズボラ・・・
そんな私が、源氏物語を読めるはずがない・・・
でも、超マイペースでテキトーな私は、
「初めから最後まで読まなくても、いっかー」と、はなから諦めモード。
大まかに全体像を掴みたいときは、どこぞやのホテルの売店で買った冊子(!)を
読んで、気軽にストーリーを確認しています。
・・・冊子は子ども向けだろうって?
なかなかどうして、これがすごく上手くまとめてあるのですよ。
飽き性、ズボラ、面倒くさがりな私だけど、
源氏物語を諦めたくない!
だって、源氏物語は、すごく面白くてロマンがあるから・・・
四季の移ろいと日本の美を背景に、繰り広げられる、めくるめく恋模様と
人生の苦悩。
ページをめくる度に恍惚とせざるをえない雅な世界観。
源氏物語に触れる度、日本人であることを誇りに思う自分に気付きます。
こんなに優れた文学作品を生み出し、こんなに繊細な美意識を持つ祖先のDNAを、
私たち日本人は、持って生まれてきたのですから。
「源氏物語」の世界の素晴らしさは、全巻読破しなくても、
充分感じられると、私は思っています。
飽き性なズボラ人間(←私)が、ところどころ「つまみ食い」して
適当に読む・・・それだけでも感動できる!そこが源氏物語の良さだと思います。
飽き性なら飽き性なりの、楽しみ方を。
そのほうが紫式部さんも喜ぶのでは?なんて、勝手に思っています^^
紫式部さん、感動をありがとう! 飽き性の私でも、「源氏物語」を楽しませていただいております☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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