Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

ボンボニエールに魅せられて☆

ボンボニエールって、知っていますか?

ボンボン(砂糖菓子)を入れるための、小さなかわいい容器のことです。

もともとはヨーロッパで広く使われていたものですが

日本では皇室の引き出物として広まりました。

日本に渡り、独自の発展を遂げたボンボニエールについて

ご紹介します。

一見、チョコレートケーキに見えるものは、実はボンボニエール☆中にチョコレートが入っているそうです☆

はてさて、日本のボンボニエールは、いかに?

(写真:ウィキペディアより)

 

1、魅惑のボンボニエール☆

 

白金台の東京都庭園美術館「邸宅の記憶(建物公開2023)」へ行くと

特別出品として、ボンボニエールの展示がありました。

 

ヨーロッパのお祝い事で配られる砂糖菓子(ボンボン)を入れる箱、

それがボンボニエール!

フランス語で「幸せの器」を意味するのだとか。

日本では、いまでも皇室の方々の引き出物として受け継がれており、

最近では2014年 典子女王の結婚式の際に贈与されたそうです。

 

 

ズラリと並ぶのは全てボンボニエール!かわいいものに囲まれて、目まいがしそう☆

 

一堂に集められたかわいい小さな箱、

そこにほどこされた緻密な彫り物や精巧なつくりに

うっとり・・・

 

 

ボンボニエールが日本に渡り

皇室の慶事の引き出物となってからは、箱型になり、

その形は様々に。

鉾形や雅楽太鼓型などのボンボニエール。

 

キャビネット型。

 

もうこうなると、立派な芸術品です。

皇室の方々が、これをどのように使われていたのか・・・?

気になりますね。

ご自分の慶事の記念として大切にされたことは間違いないですが

机の上に置いておいて、中の金平糖を時々つまむ、なんてそんなことは

皇室の方はなさらないのかしら??

 

花の形や太鼓形など、よく見ると個性的な形がたくさん・・・!

 

 

 

私だったら、どのボンボニエールをもらいたいかな?と

ついついそんなことを考えながら見てしまいます。

個人的に好きだったベスト3は・・・

 

凝った造りのボンボニエールが多い中で

シンプルで、ぽこんと小さくて、かわいらしい桃の形に惹きつけられました。

菊の紋もひと際目立っているように思います。

 

 

半円の地球儀の上に、見守るように寄り添うのは

平和の象徴である2羽の鳩。

世界が平和でありますようにとの願いが伝わってきます。

 

 

 

鳥かごの上の小鳥が、中にいる小鳥に呼びかけているようなデザイン。

この2羽の小鳥は、親子なのか、恋人なのか、友達?兄弟?

いっしょに春の歌を歌っているようにも、

自由を得た小鳥が、かごの中の鳥を励ましているようにも見えます。

そんなことを想像するのも楽しいですね。

 

 


他にも、鳥かごのボンボニエールは、たくさんありました。

どの鳥かごにも小さな鳥が入っていて、とってもかわいい!

大好きで、じっと見入ってしまいました。

でも、お菓子を入れるスペースは少なそうですね。

 

 

2、東京都庭園美術館~もうひとつの物語

 

隅々まで贅を尽くし、アールデコ様式を取り入れた旧朝香宮の邸宅、東京都庭園美術館

 

私は東京都庭園美術館が大好きで、いままで何度かブログでご紹介しました。

朝香宮はパリでの長期滞在でフランスの文化に深く感銘を受け、

この白金台にアールデコ様式を取り入れた邸宅を作ることを決意。

堪能なフランス語を活かし、

朝香宮鳩彦王とともにこの邸宅の設計に深く関わったのが

允子妃殿下でした。

ところが、心血を注いだ邸宅完成後わずか半年後に

42歳の若さで亡くなったことは、以前に書いた通りです。

(※アール・デコの館で往時の輝きを想う 東京都庭園美術館 建物公開展 - Miyukeyの気まぐれブログ )

 


允子妃殿下の美意識が随所に息づく美しい建築物にため息が出ます。

アンリ・ルパン、ルネ・ラリックが手掛けた内装が素晴らしい・・・

 

 

今回の展示では、第二女王 湛子(きよこ)さまについての映像がありました

允子妃のご逝去後、姉は嫁ぎ、父と二人の兄は軍事で忙しく

ほとんどの時間を一人で過ごされたそう。

戦争の真っ只中、 湛子女王はご結婚されます。

湛子女王にも、もちろんボンボニエールが贈られました。

しかし、それは、戦時中だったために、木製の簡素なもの。

これが湛子女王に贈られたボンボニエール。確かに地味かも・・・

 

後に三人のお子さんに恵まれた 湛子さまは

息子に「姉の時とちがって、私のときは、そんな立派なものは

何もなかったのよ」と、いつも言っていたといいます。

確かに、ボンボニエールだけを見ても、両親、他の兄弟とは雲泥の差。

 

重箱形・菊花形 1910年朝香宮鳩彦王・允子内親王御結婚祝宴 (両親)

 

六角松鶴文 浅香宮正彦王 ご結婚 1941年 (兄)

 

左から 台付文庫形 六角松鶴文 文庫形 いずれも1931年 朝香宮紀久子女王ご結婚披露宴 (姉)

 

戦時中だったから仕方がないとはいえ、

銀製のボンボニエールをはじめ、きらびやかな道具に溢れた姉の結婚式が

うらやましかったのでしょう。

その後、宮家は皇籍を離脱、この邸宅を去ることになります。

晩年、 湛子さまは、息子さんに「白金の、あの家に戻りたい」と

よく言っていたそうです。

若くで亡くなった母と兄、そして父と姉とで暮らした思い出が詰まった

この邸宅は、きっと、生涯、心のよりどころとなっていたのではないでしょうか。

湛子さまは、2019年、100歳の誕生日の前日に亡くなりました。

 

 

 

3、時代を反映するボンボニエール

 

かわいらしく華やかなボンボニエールがたくさんある中で

目に留まったもの。

朝香宮の二人の子息の成年式の引き出物。

お国のために闘うことを求められた時代のボンボニエールです。

次男:正彦王は30歳の若さで、マーシャル諸島で戦死しています。

 

ボンボニエールは、ただのお菓子の入れ物ではなく、

歴史を反映し、そのときの人々の想いや風潮を表すもの、

そしてまた、人生の節目を迎えた人の

幸せを願う心が込められているのだと感じました。

 

 

 

4、どう使う?私たちでも手が届く!ボンボニエール

 

かわいらしいボンボニエールをたくさん見て、

すっかり虜に。

皇室じゃなくても、手に入れられるかわいいボンボニエールは

たくさんあります☆

日本では金平糖を容れて引き出物にするのが定番ですが

他にも、アクセサリー入れにしたり、

ちょっとした小物を入れたりしてもいいんですって。

玄関に置いて印鑑を入れておいたり、

デスク周りのクリップ入れにしているという声も。

大切なものをそっと入れておくのも素敵ですよね。

あなたなら、何を入れますか?

 

ノリタケのボンボニエールは、中にオリジナルのイニシャルを入れてもらえるそう。

大切な人の門出に贈っても、自分へのごほうびとしても素敵☆

 

ハンガリーの名窯、ヘレンド。

透かし彫刻と色合いがとっても美しいです。

ポプリを入れて、玄関に置いておくのにもピッタリなのだとか・・・

 

素敵なボンボニエールは、他にも、たくさん!

ぜひ、あなただけのボンボニエールを見つけてくださいね♪

 

金平糖

時間をかけて作られることから、「ゆっくりと家庭を築く」という意味があり

引き出物に選ばれたり

日持ちがすることから「変わらない愛」「変わらない美」といった意味を持ちます。

そのことから、皇室ではボンボニエールに金平糖を詰めて贈られるそう。

日本で唯一の金平糖の専門店「緑寿庵清水」は1847年の創業から

一子相伝の技で現在も伝統の味を守っています。

私は京都ではなく銀座で、このお店の金平糖に出会いましたが

まず、箱を開けたときにふわっと漂ったイチゴの、甘く新鮮な匂いが印象的でした。

大切なボンボニエールには、こんな金平糖がふさわしいかもしれません。

 

 

(写真左)入れ物も高級感があって素敵。(写真中央)あまおういちご。(写真右)オーロラブラック(ぶどう)  どちらも一粒一粒に、フルーツの味がぎゅっ!上品でさわやかな美味しさです。

 

 

 

5、最後に  

 

この度、たくさんのボンボニエールの展示を見ましたが

そのひとつひとつに、そのときの時代が映し出され

様々な願いがこめられていると思うと

とても感慨深いものがありました。

機会があれば、どんな時代にどんな想いでこのデザインが施されたのか

もっと詳しく知りたいです。

ボンボニエール・・・それは、遠い雲の上の宮廷や富豪たちのものではなく

ヨーロッパの庶民の家庭の習慣から生まれたものであり

私達も気軽に手に入れ、大切な人に贈ることのできるもの。

どうやって使うのか?それはアイディア次第。

ボンボニエールは、

記念すべき日の新たな気持ちとともに、

ずっと末永くその人のそばにあり、ストーリーを刻んでいくものだと思います。

あなたが手にするボンボニエールは、

どんなストーリーを持つのでしょうか?^^

お花形のボンボニエール

 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

<過去記事紹介>

 

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