Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

東京都庭園美術館の魅力!白金台の旧朝香宮邸でアールデコ建築と美術作品を堪能しよう♪

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白金台にある東京都庭園美術館

旧宮家である朝香宮夫妻がお住まいだったアールデコ建築と

芸術作品を同時に楽しめる、この上なく美しい空間を

ご紹介します。

注:新型コロナウィルスのため2020年3月31日まで全面休止になっています。

早く終息して、無事開館するといいですね。)

 

↓↓過去に開催された「ルネ・ラリック展」の写真と感想、

↓↓心に残った作品を記事にしました。ご興味がある方はぜひご一読ください。

 

miyukey.hatenablog.com

1、東京都庭園美術館の建築について

 

東京都庭園美術館の建物は、

1933年、当時皇族であった朝香宮がご自宅として建てられた邸宅です。

 

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朝香宮妃殿下(1891~1933)朝香宮殿下(1887~1981)1906年創設の宮家

 写真引用サイト:

https://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/area/museum/08/index.php

 

1923年から2年間フランスに滞在されたご夫妻は、

当時パリで流行していたアールデコ建築を取り入れようと計画されました。

特に允子(のぶこ)妃殿下は堪能なフランス語を活かし、

フランスとのやりとりや設計図の翻訳など、

自らこの邸宅設計に積極的に関わられたそうです。

一切の妥協なく国内外の最上級の資材を使用し

贅を尽くして建てられた邸宅。

それは、フランスで最新のファッションを身にまとい、

上流階級と交流を深めることでフランス文化を吸収された

允子(のぶこ)妃殿下のセンスが光るすばらしいものとなりました。

しかし、心血を注いで完成した邸宅に允子(のぶこ)妃殿下が暮らしたのは

わずか半年。

1933年、11月、自らの想いが詰まった寝室で、

42歳の若さで腎臓病のため亡くなりました。

戦後、朝香宮は皇族ではなくなり、熱海へと転居。

その後は吉田外相首相公邸として使用されました。

86年間の月日が流れた今も、竣工当時のままの姿で

今は美術館として芸術に触れ合う機会を与えてくれます。

朝香宮ご夫妻の想いやこだわりが詰まった邸宅で

皇室の方々の往時の暮らしぶりに想いをはせながら

芸術作品を味わう贅沢な時間を過ごせる美術館です。

 

2、邸宅の内部の美しさ

 

まず足を踏み入れてすぐ目を奪われるのは

正面玄関の女神のガラスレリーフです

ルネ・ラリック朝香宮邸のためにデザインした作品。

その昔は、来客が取次ぎを待つために使われていました。

 

東京都庭園美術館 Tokyo Metropolitan Teien Art Museum www.flickr.com

 

アンリ・ラパンがデザインした噴水。

朝香宮邸時代、香水を照明に施し、香りを楽しんだことから

「香水塔」と呼ばれています。

この噴水がある大広間では

よくダンスパーティーが開かれていたとのこと。

華やかな往時が偲ばれます。

 

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香水塔。どんな香りを漂わせていたのだろう?

 

邸宅内は美しく、細部に至るまでこだわりとセンスが感じられます。

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姫君の寝室。どんな夢を見られたのだろうか。

 

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最上級の資材を使用した邸宅内は、階段や廊下も美しい。

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かわいい星形のランプ。

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細部までこだわりぬいたデザインに高い美意識が宿る。

 

https://taiss-you.sakura.ne.jp/myHPartdeco/artresize64/artd019.jpg

プライベートなお部屋があった2階へと続く大広間。

朝香宮ご一家がくつろぎ、蓄音機やピアノで音楽を楽しまれたというこの広間は

今も音楽が聞こえてくるような気がする素敵な空間。

 

きらびやかで豪華な何かがあるわけではないのですが、

過度な飾りを排除した中に日本の美を感じます。

心が休まり、上質で落ち着いた美が、そこにある。

それこそ、朝香宮ご夫妻が邸宅に求めたものだったのかもしれません。

 

3、邸宅内で鑑賞する芸術作品の数々

 

庭園美術館の魅力は、

そのときどきに開催されている展覧会の芸術作品を

朝香宮が実際に住んでいた邸宅内の空間で鑑賞できること。

美術館で鑑賞するのとは一味もふた味もちがった楽しみ方ができるのです。

現在開催中のルネ・ラリック展(2020年4月7日まで)

(注:新型コロナウィルスのため2020年3月15日まで全面休止)

の様子を少しだけご紹介します。

 

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ルネ・ラリックの孔雀のオブジェと大広間の空間の調和が素晴らしい。

 

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大食堂のラジエーター。ラジエーターカバーは、食堂にふさわしい魚のデザインが施されている。

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大食堂の窓と、ルネ・ラリックのテーブルセッティング。この窓は、朝香宮ご一族の和やかな一家団らんを見守ってきたのだと思うと、感慨深い。

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個室に並べられたルネ・ラリックの作品群。うっとりしてしまう空間。

 

4、庭園で芸術的な空間を味わう

 

庭園美術館は、広々とした美しい庭園も見どころです。

私が訪れたときは、2回とも曇り空の日。

初めての来館は2019年6月だったのですが

雨があがった後特有の、むせかえるような木々の匂い、

芝生の緑、そして雲に覆われた空に映える建築物がかもしだす重厚さが忘れられません。

芝生には、てんてんと黒い椅子が置いてあり、

向こうには穴の空いた真っ白なモニュメントがある。

それが一枚の絵のように美しく、芸術的な空間を作っています。

絶えず聞こえてくる小鳥の鳴き声に耳を澄ませながら歩いていると

往時の皇室の方々の暮らしが、ふっと蘇るように思えます。

 

庭園とはいっても、花々が咲き乱れる花壇があるわけではありません。

ただ、手入れの行き届いた木々がうっそうとしげっているだけ。

けれど、その何もない芝生だけが広がる空間に

心が解放され、安らかな気持ちになるのです。

その昔、朝香宮ご夫妻は、特別にしつらえた服を着、

朝食後のひとときを、鳥のさえずりに耳を傾けながら

仲良くお庭をお散歩されたかもしれません。

幼い妃殿下は、この芝生を無邪気に駆け回られたかもしれません。

そんな空想をしてみるのも楽しいのです。 

 

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朝香宮邸。(2019.6.29撮影)

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黒い椅子と白いオブジェと芝生の緑の調和が芸術的な空間。(2019.6.29撮影)

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黒い椅子の位置は、訪れる度に変わっていました。

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緑の木々の中に佇む美しいモニュメント。(2019.6.29)

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2月にいってみると、庭園には梅や早咲きの桜が咲いていました。梅の花と旧朝香宮邸。(2020.2.22撮影)

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モニュメントも6月に観たときとは違った印象。少しさびしげな雰囲気に、また異なる美しさを感じます。穴の向こうには梅の花が。(2020.2.22)

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角度を変えると旧朝香宮邸も見えます。あなたには、何が見えますか?(2020.2.22)

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オブジェをななめから見ると、またちがった表情。

 庭園の梅や桜の写真は、こちらの記事に載せています。

宜しければご覧ください。↓↓

miyukey.hatenablog.com

 5、最後に

白金台の東京都庭園美術館

建築物が歩んできた長い歴史に想いをはせながら

美しい芸術作品を鑑賞できる素敵な空間に、

ぜひ足を運んでみてください。

ただ、今は全館閉館中です。

一日も早い終息を祈りながら、開館を待ちましょう。

季節ごとに異なる庭園は

春にはどんな表情を見せてくれるのでしょうか。

楽しみですね♪

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

参考文献↓↓

フランス人がときめいた日本の美術館

フランス人がときめいた日本の美術館

 

 

 

↓↓ こちらの本には東京都庭園美術館のカフェと建築物の紹介が載っています。

↓↓美術鑑賞に疲れたら、ほっと一息できる美術館の中のカフェを特集した本です♪

カフェのある美術館 感動の余韻を味わう

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