Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

アール・デコの館で往時の輝きを想う 東京都庭園美術館 建物公開展

 

東京都庭園美術館の「アールデコの貴重書展」へ行って来ました☆

貴重書の展示も良かったのですが、

この度の目玉は、なんと言っても

贅を尽くし、こだわりぬかれたアールデコの館であり

朝香宮邸であった建築物を堪能できること!!

展覧会場として使用されている時とは、また異なる表情を見せてくれる

年に一回だけの建物公開展。

純粋に建築自体を鑑賞できる貴重な機会です♪

(会期は、2022年6月12日(日)まで)

 

東京都庭園美術館は、私の大好きな美術館。

今までにも何度かブログで取り上げています。

アールデコ建築と旧朝香宮についての詳しい説明は、

こちらで書いています。

miyukey.hatenablog.com

 

過去に東京都庭園美術館で開催された展覧会の感想を書いた記事です。

「キューガーデン 英国王室が愛した花々」展 (東京都庭園美術館) ボタニカルアートに魅せられて♪ - Miyukeyの気まぐれブログ

 

ガラス芸術にこめられた想い・・・ルネ・ラリック展(東京都庭園美術館)感想と写真 - Miyukeyの気まぐれブログ

 

1、アールデコの世界へのアプローチ

 

木々が茂った道を通り抜けると現れる美術館の姿が好きです。

都会の喧騒を忘れて、すぅっと世界に引き込まれる瞬間。

 

 

1933年に旧朝香宮邸として建てられたアールデコ様式の建物。

国の重要文化財でもあります。

 

門を入ると迎えてくれるのが、ルネ・ラリックのガラスレリーフパネル。

円形のモザイクや、香水塔の美しさに息をのみます。

 



香水塔

2、往時の輝きを想う (1階)

 

通常は絵画や作品でいっぱいの大広間も

この期間は、展示物はありません。

だからこそ、朝香宮ご一族が実際に

ここでゲストたちをお迎えしていた宮邸時代の雰囲気が

より感じられるのです

 

 

 

ダンスパーティーをしていたという優美な空間。

衣擦れの音や、笑いさざめく声、グラスの触れ合う音が聞こえてきそう。

 

マントルピースは、もう今では採れないほど貴重な

ポルトロというイタリア産の最上級の大理石が使われているそう。

 

 

なんといっても美しいのは、やはり大食堂。

通常、展覧会が行われている際は作品保護のため、

ほとんどカーテンが閉められているのですが

今は開いている状態を見ることができます。

それが、こちら。

 

 当時をイメージしたテーブルセッティングも素敵。

 

 窓の下には宮内省内匠寮(たくみりょう)が制作した魚貝の模様のラジエイターカバー。

 

暖炉の上にはアンリ・ラパンの壁画が華やかさを添えています。

 

朝香宮夫妻のパリ滞在中、妃殿下に水彩画を教えたこともあるレオン・ブランショ
銀色の壁画レリーフが印象的です。

 

窓ガラスの向こうに見える庭園の緑とテーブルセッティング。

5月の爽やかな光がいっぱいに射し込む大食堂は

展覧会場として使用されている時とは

また違う表情を見せてくれました。

こんな美しい空間で、旧朝香宮は大切なゲストをもてなし

食事を楽しまれたのでしょう。

 

3、情熱と幸せが詰まった場所 (2階)

 

華やかな往時の暮らしが偲ばれる社交の場としての1階も印象的ですが、

個人的に好きなのは、2階のプライベートな空間です。

美しい階段を上った先に・・・

 

大理石がふんだんに使用された階段。木材に見えるところも、実は木目模様の大理石なのだとか!!

 

 

 

二階広間。

ソファと自動ピアノが置かれ、一家団欒を楽しまれた空間。

楽しそうな笑い声が聞こえてきそう。

 

 

 

 

 

私が一番、心打たれたのは、允子(のぶこ)妃殿下の部屋です。

 

 允子妃の居間

 

2年半のパリ滞在中に、アールデコに魅せられ、

それを白金台のこの自邸に取り入れたいと思われたご夫妻。

允子妃は堪能なフランス語を活かし、

フランスとのやり取り、設計図の翻訳など

建設に積極的に関わりました。

この邸宅の至る所に、

妃殿下の情熱とセンスを感じるのです。

 

允子妃の理想を実現したこだわりの居間。

 

庭が見える半円形のバルコニーには、こだわりの泰山タイルが。(左)
花モチーフの暖房器用カバーにもセンスが光ります。(右)

 

 

東京に、それは美しい夢の邸宅建設を実現したものの、

允子妃がそこで過ごしたのは、わずか半年だったのです。

腎臓を患い1933年に逝去。42歳でした。

息を引き取ったのは、この寝室でした。

 

 

允子妃の寝室

 

人生のうちのほんの短い、たった半年であっても、

愛する家族とともに、ここで過ごした幸せな思い出は

允子妃にとっても、またご家族にとっても、

宝物のようにかけがえのないものだっただろうと思います。

 

 

グラジオラスの通気口は允子妃殿下のデザイン(左)允子妃の胸像(右)

 

 

 

壁紙は当時、ワインレッドだったそうです。

 

 

いま、允子妃の熱意とこだわりが感じられるこの建物は

様々な芸術作品とともに、

静かな感動や穏やかな時間を与えてくれています。

 

それは、允子妃から現代のわたしたちへの

メッセージのような、贈り物のような気がするのです。

 

2男2女に恵まれたご夫妻。

 

 允子妃が亡くなった後、朝香宮も皇族から離脱し、

この邸宅を離れることになります。

この邸宅が持つストーリーは、

決してハッピーエンドではないように思えますが

ご家族にとって、短くも輝かしい時が詰まっている、

そんな、かけがえのない場所だったのではないかと思います。

いま、私が立っているこの場所を何十年も前、

宮家の方々が歩き、日々を過ごしていたのだと思うと、

不思議な気持ちになりました。

 

 

2階には、熱帯魚やカナリアを飼われていたというベランダ(左)や、
アンリ・ラパンが内装を手がけた書斎(右)もあります。

 

ルネ・ラリックが手掛けた照明は、チューリップをあしらったもの。 

 

 

どこを切り取っても絵になる光景にうっとり・・・☆

 

星形の照明(左)やアールデコを代表する鉄工芸家レイモン・シュブのドア(右)。

 

 

4、アールデコの貴重書展

 

今回は「アールデコの貴重書展」ということで、

フランスの装飾美術などアールデコが堪能できる貴重書の展示がありました。

 

小食堂の様子

 

美しい装丁の書物に見入るひととき・・・

 


フランスのファッション誌やインテリア雑誌などの展示もありました。

 

 

5、最後に

 

名だたるフランスの芸術家たちや

宮内庁内匠寮が結集してアールデコの粋を取り入れ

国内外の最上級資材を惜しみなく使って建てられた建築物。

でも、この建物だけが持つ静謐で独特な雰囲気は、

その昔、ここに住まわれた宮家の人々のたくさんの想いや思い出が

作り出しているような気がします。

 

東京都庭園美術館は、もちろん庭園も素晴らしいです。

庭園については、こちらの記事で紹介しています。

東京都庭園美術館の魅力!白金台の旧朝香宮邸でアールデコ建築と美術作品を堪能しよう♪ - Miyukeyの気まぐれブログ

鳥のさえずりだけが聞こえる静けさに満ちた庭園(左)
カフェTEIENで一休み。企画展コラボメニューのケーキ、「ダミエ」(右)

 

関東にいる間は、できるだけたくさん、この美術館で過ごしたいと思います^^

関東を離れる時、きっと、一番恋しく思う場所のひとつだと思うから、

悔いのないように・・・^^

来月からは、私の大好きな写真家・蜷川実花さんの写真展が

開催されると知り、

いまからワクワクしています☆

何があっても行かなくちゃ☆

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

東京都庭園美術館が掲載されている書籍>

 

 

 

東京都庭園美術館についての過去記事>

 

miyukey.hatenablog.com

 

miyukey.hatenablog.com

 

miyukey.hatenablog.com

 

 

Xserverドメイン

お名前.com