Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

渋谷のいま・・・変わりゆく街と、私の転機 (日記)

ついに出ました、夫の転勤辞令。

次は愛媛

東京本社から四国本社へ・・・。

生まれてこのかた、ずっと都会暮らしの私。

利便性に富んだ街で楽ちんな暮らしばかりしてきた私にとっては

愛媛県への引っ越しは、一抹の不安が・・・

それでも、落ち込んでいる場合ではないのです!

大好きな、大好きな東京に、短い限られた時間で

「しばしの、さようなら」を言いに行かないといけないのですから。

 

 

まずは渋谷。

なんと4年ぶりでした。

4年前、大阪から埼玉へ転居したばかりの頃、

渋谷Bunkamuraへ、ミュシャ展を観に来たのです。

渋谷の人ごみ、巨大なビル群、個性的な若者たち。

大阪の都会に住んでいた私でも、やはり渋谷は圧倒される大都会でした。

その頃に書いた記事が、こちらです。

 

miyukey.hatenablog.com

 

 

それから、コロナ禍に突入し、一時期は東京から足が遠のきます。

感染者が少なくなってからも、渋谷スクランブル交差点の人波を思い出すと

怖くて渋谷には近づけず。

結果、4年ぶりの渋谷となったのでした。

今回は、母と♪

久々の母娘でお出かけです。

 

渋谷に降り立つと、懐かしい景色。

そう、4年前は、ここに一人で降り立ち、大阪とは全く異なる街に

圧倒されたんでしたっけ。

ハチ公前には、銅像と写真を撮る観光客たちの行列が。

みなさん、楽しそう。笑顔がはじけています。

 

スクランブル交差点は、やっぱりすごい人。

外国人観光客の多さに、コロナの収束を感じます。

写真を撮る人や、子供の手を引いてスクランブル交差点を走る人、

物珍しそうにビルを見上げる人・・・

外国人観光客の姿を見るのは好きです。

この人たちの目に、日本はどう映っているのか、

わたしたちも異国を旅するとき、こんな風に見られているのか、と

考えることが好きなのです。

何事もなかったかのようにマスクをはずして、楽しそうに笑顔で

街を闊歩している外国人たち。

きらきらとした瞳、いきいきとした大きな笑顔・・・

長い人生の中のほんの短い旅であっても、今日、この人たちが

ここを歩いた時間は、一生忘れがたい思い出になるのかなぁ、

そうであればいいなぁと感じます。

 

スクランブル交差点の真向いに、あの心躍る黄色が。

そう、ロクシタン・カフェ☆

4年前、入りたくて覗いたけど満席で待ち時間があったので断念したカフェ。

今回はちゃんと予約していたので、お昼時だったけれど

すんなり中へ☆

店の階段には人が並んでいましたが、店内は意外と空いています。

 

 

スクランブル交差点が見える窓辺と、黄色いお花のウォールが

とっても素敵な開放的な店内。

 

 

サラダパスタは、お花畑みたい☆

オリーブオイルたっぷりの温かいパスタは絶妙なゆで加減。

繊細な味付けで、とにかくおいしかったです。

右は母が頼んだエビがいっぱいのチーズグラタン、「アシバルマンティエ」。

 


デザートはこのお店の人気メニュー、「クリームブリュレ・ロクシタン」。

パリッパリのカラメルとバニラビーンズたっぷりのクリーム☆

母が頼んだ真っ白なクリームケーキ、「旬フルーツのガトーマルシェ」も、

あっさりとした後味がとっても美味しかったそう。

 

 

本日の目的地、渋谷Bunkamuraに向かいます。

マリー・ローランサンとモード」!

マリー・ローランサンの作品をまとめて大量に観たい!と、

4年くらい前から、ずっと思っていたけれど、なかなか開催されず・・・

東京に住んでいるこのギリギリのタイミングで観られたのは

最高に幸せでした☆

Bunkamuraはこの展覧会を最後に、長期休館するそうですね。

Bunkamuraザ・ミュージアムは、「渋谷ヒカリエ」へ移転するのだそう。

次に渋谷に来ても、ここはもうないんだ・・・と思うと

ほとんど来たことはないのに、不思議な寂しさがよぎります。

1920年代に活躍した二人の女性、

マリーローランサンとココ・シャネルに焦点を当てた展覧会です。

4年前に横浜で出会ったこの絵とも再会を果たしました。

 

「マドモアゼル・シャネルの肖像」1923年

 

マリー・ローランサンがココ・シャネルを描いた作品。

けれど、シャネルは気に入らず、描きなおしを要求。

ローランサンは応じなかったので、結局シャネルはこの絵の受け取りを拒否したそう。

この時代を牽引する二人の女性の火花が見えるよう・・・

ローランサンいわく「シャネルは良い子だけど、田舎者だから、とてもじゃないけど言うとおりになんかする気にはなれなかった」んですって。

 

詳しくは、こちらの記事にも書きました↓↓

miyukey.hatenablog.com

 

 

 

「白い羽飾りの黒帽子をかぶった乙女」1915年

 

儚げできゃしゃな、真っ白な肌。

この少女の醸し出す雰囲気や匂いまでも、伝わってきそう。

黄土色の絵の具を、さっと刷毛ではいたような、そんな髪の描き方なのに

なぜか柔らかくてしなやかで、ふわふわと軽い金髪の手触りが

わかる気がするのです。

この少女のそばに佇んでいたいような気がしました。

 

 

「青と黒の帽子をかぶった少女」 1913-14年

 

ほとんど鼻が描かれていない少女の絵。

ミステリアスで、謎めいた表情を見ていると

なんだか、この一枚から物語が始まりそう。

肩に垂れた一筋の黒い髪がほんの少し揺らいでいる、ただそれだけで

風の方角、風の強さや香りや、どんな風だったのかがわかる

背景に何も描かれていないからこそ、風が吹いている空間を感じられます。

この2枚の絵が特に好きで、しばらくずっとこの絵の前に立っていました。

 

(左)「ばらの女」1930年  (右)「首飾りの女」1935年

 

世界恐慌の1930年代、マリーローランサンの作品は、

それまでの淡く謎めいた色彩から

明快かつ強く鮮やかなものへと変化しました。

より女性らしく、明るい色合いの女性たちを描き始めたローランサン

世の中の評価は厳しく、人気も陰りを見せたそうです。

この2作品はその頃に描かれたもの。

暗い時代を吹っ切るかのように美しい色合いを使ったこれらの作品は

いまの私たちの心も明るく華やかにしてくれる気がします。

 

 

 

「二コル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン」1922年

 

生涯、親友であり続けたという二コル・グルーと、その娘たちを描いた作品。

まるでお菓子の妖精ででもあるかのような甘く淡いタッチで描かれた二コル・グルー。

ローランサンは二コル・グルーをモデルに、たくさんの作品を残しています。

その一枚に、男装をしてパレットを持ったローランサンに、

かわいらしいドレスを着た二コル・グルーが寄り添っている

ちょっと意味深な絵もありまして・・・。(「鳩と女たち」1919年・撮影禁止画)

その絵には親密で、秘密めいた妖しい空気が流れていました。

「ただの友人以上の関係だったことを表している」との説明書きも。

一世を風靡した女流画家と有名装飾家の妻である美しい婦人。

ちょっとドキドキしてしまいました。

 

展示最後の一室は、自由に撮影可能。

同じ時代を駆け抜け、多くの人々を夢中にさせた二人の女性の作品群に

心満たされたひとときでした。

 

 

 

(左)カフェ、ドゥ・マゴ・パリ。

Bunkamuraの休館と同時に

1989年から続いてきたこの店から移転し、スタンドカフェになる予定。

閉店の日まで、予約はいっぱいだとか。

(右)雑貨と本のお店。

こういうお店が大好きで、時間を忘れて夢中で店内をグルグル。

このお店は、来月のBunkamura移転に伴い、閉店するそうです。

 

渋谷駅のほうに戻り、西村フルーツパーラーで、ひとやすみ。

母といると、ついつい甘いものを食べすぎちゃう。

明治43年創業。

老舗のフルーツ屋さんの「いちごあんみつ」は、いちごが新鮮で

寒天の歯触りが、一味ちがって美味しかったです。



渋谷の街を歩いていると、やっぱりここは、

唯一無二の街だなあと思います。

新しく、文化的であり、常にカルチャーの発信地でありながら

猥雑な、喧騒にまみれた街。

ほかのどこの街にもない、この街しか持ちようのない

独特の強いエネルギーが渦巻いているような。

だから、渋谷は常に若い人たちで溢れ、世界からも注目され続けるのだと

思います。

 

 

 

 

普段は苦手な人混みを、快いもののように感じたのは

もう東京を離れるからでしょうか。

この日、母と歩いた渋谷の街を、きっと私は忘れないと思います。

もうきっとしばらくは来られないだろう街を、

全身で味わって、満喫した日。

暮れてゆく夕焼けに映えるビルを見上げて、

渋谷にしばしのお別れを。

これから、どんな生活が待っているのか?

曲がり角の向こうは、いつだって見えないけれど、

そこに幸せがあると信じて曲がります。

きっと、この東京が4年間でくれたたくさんの輝く思い出が、

これから先、どんなときも私を支えてくれると思います。

ありがとう、東京。

私の「東京へのしばしのおわかれを告げるお出かけ」は、もうしばらく続きそう。

 

 

今週のお題「あまい」