Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

ポーラ美術館コレクション展「甘美なるフランス」・・・あの名画に出会う瞬間☆


この度の豪雨災害で被害に遭われた方に

心よりお見舞い申し上げます。

毎年、この時期は自然災害が多いですね。

少しでも被害が少ないことをお祈り致します。

 

私は2週間前から発熱で初のPCR検査、

初の隔離生活(検査結果が出るまで自宅で念のため)

と、なかなか不安の多い毎日を送っていました。

PCR検査結果が陰性で気持ち的にずいぶん楽になりました。

まだ原因不明?の微熱があり、倦怠感が残りますが

ブログに書きたいことはたくさんありますので

ぼちぼちと更新していきたく思っております。

今回は、現在開催中のポーラ美術館展をご紹介します。

記憶をたどりながらの更新になりますが、

最後までお付き合いくださいね☆

 

 

1、ポーラ美術館展

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唯一、写真撮影可能な作品「レースの帽子の少女」(ルノワール 1891年)

 

今回ご紹介しますポーラ美術館展は

大阪の、あべのハルカス美術館

2021年7月9日から9月5日まで

東京のBunkamura ザ・ミュージアム

2021年9月28日 ~ 11月23日 まで開催の美術展です。

さすがポーラ美術館、これでもかというほどの有名な画家たちの

ルノワールピカソ、モネ、ユトリロ、モディリアー二、マティスシャガールなど)

名作がズラリと並び、非常に充実した展覧会でした。

今回は私が特に心に残った作品を取り上げてご紹介します☆

 

 

 

2、デュフィ「パリ」との再会

 

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ラウル・デュフィ 「パリ」 (1937年)

 

私がこの展覧会へ行きたかった一番の目的、

それはこの絵画との再会でした。

もうずいぶん前になりますが、あべのハルカス美術館

「ラウル・デュフィ展」という展覧会を観てからというもの、

母も私もデュフィの大ファンになったのでした。

今回展示されているのは、わずか2点。

でも、大作「パリ」は、そのために赴く価値の十分ある

素晴らしいものでした。

ピンクと青の夢見るような色彩で描かれた

可愛くも美しいパリの風景。

舞台美術や織物のテキスタイルも数多く手掛けていたこともある

デュフィの描く街の風景は

記号のような、簡略化されたスタイル。

それが、とても軽やかで、まるで楽しい音楽や空気感までもが

伝わってくるかのように感じられるのです。

楽家の両親の元で、フランスの港町で育ったデュフィ

独特の筆遣いと色彩感覚で、「色彩の魔術師」と呼ばれ

20世紀のパリを代表する画家として活躍しました。

現実から、どこか違う世界へと連れ去ってくれる絵。

次はいつ、どこで再会できるかなあ?

生きている間に、何回、この絵の前に立てるかな?

またデュフィの絵画に再会できることを祈って。

 

 

 

 

 

3、ユトリロ・・・心の中のパリを描いた画家

 

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モーリス・ユトリロ 「ラ・ベル・ガブリエル」 (1912年)

 

 ユトリロ

この人の絵には、空気が満ちている・・・

空気が閉じ込めてある、と言ってもいいかもしれません。

パリの匂いがする気がして、しばらくこの絵の前に立ち尽くしてしまいました。

ユトリロが描くパリは、

ガイドブックに載っているような、

オシャレで、かわいくて、ウキウキするパリのにぎやかさではなくて、

しんと静まりかえった冬の匂いのするパリです。(中略)

パリの匂い、風、空気、冬の冷たさ・・・

ユトリロの絵は、時と場所を超えて、それらものを運んできてくれるのです。

 

引用:

横浜美術館「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展でパリの風を感じる☆(感想と写真) - Miyukeyの気まぐれブログ

 

以前のブログで、こんなことを書きましたが

今回も同じことを感じました。

ユトリロの絵画の前に立っていると感じる

パリの匂い、風、音、空気は

実は現実のパリの街ではなく

ユトリロの心の中に存在する街なのではないかとも感じました。

静かで、寒々しく、孤独を感じる、でも限りなく美しい世界。

アルコール中毒の治療のために絵を描き始めたユトリロ

目の前にある世界よりも自分の内面をキャンバスに

刻み付けていったのかもしれません。

 

「ラ・ベル・ガブリエル」は、パリのモンマルトルの路地を描いた絵です。

左の男性が壁に書いているのは

「正面にあるのは私の人生の最良の想い出だ。1912年10月」という言葉だそうです。

男性は、ユトリロ自身。

そして、正面にあるのは、居酒屋「ラ・ベル・ガブリエル」。

ユトリロはその当時、その店の女主人に恋をしていたといいます。

まさに恋の記念碑として描かれたような一作。

生活環境に恵まれず、精神病やアルコール中毒

騒ぎを起こすことが多かったユトリロにとって

唯一、逃げ込める場所だった居酒屋「ラ・ベル・ガブリエル」。

そこで彼を優しく迎えた店主マリ・ヴィジエは、きっと

母親のような温かさを持った人で、

孤独だったユトリロの心の拠り所だったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

  4、ピエール・ボナール「地中海の庭」

 

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          ピエール・ボナール 「地中海の庭」 (1917-1918年)

 

 

光が溢れた平穏さに、胸を突かれます。

キャンバスの中の世界に引き込まれていくような気さえする臨場感。

この絵が第一次世界大戦中に描かれた絵だと知り

とても意外でした。 

そんな暗い時代に描かれたとは思えない明るさがあるのです。

でも、色彩が失われた戦時中だからこそ、

ボナールは、こんな明るい絵を描きたくなったのかもしれません。

あるいは、失われた平穏な日々が戻ることへの祈りをこめたのでしょうか?

ボナールは日本美術の影響を受け、

身近な題材を数多く描いた画家としても有名です。

 

 

 5、マリーローランサンの「風景の中の二人の女」

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マリー・ローランサン 「風景のなかの二人の女」 (1926年)

 

大好きなマリーローランサン!!

柔らかで温かく、それでいて神秘的な世界観は

どこか不思議で、想像力をかきたてられます。

森の中でたわむれる二人の少女がこちらに視線を向けた瞬間から

始まる物語。

美しくて、なぜか懐かしい気もする一枚でした。

 

 

 

 

6、最後に   ~名画との出会いと再会~

 

年を重ねるごとに、新しい出会いだけではなく

「再会」の喜びも知るようになりました。

またこの絵の前に立ちたい、もう一度あの絵の前で感動したい

そう思う絵画との出会いがあり、

そして再会の瞬間があります。

絵画との再会は、意外とやさしいものではありません。

所蔵美術館へ行っても展示されているとは限らず

展覧会で、次はいつ自分の街にこの絵が来るのかはわかりません。

絵画との出会いも、タイミング・・・

大げさかもしれませんが、運命といってもいいかもしれません。

あなたは再会したい絵がありますか?

もしなかったとしても、今回、

「また会いたい!」と思える一作に出会えるかもしれません。

これほどまでに世界中の有名画家の傑作が集まった

ポーラ美術館のコレクションを見ることができる展覧会は

運命の一枚に出会えるチャンスではないでしょうか。

再会したい人がいると人生が幸せで満たされるように

再会したい絵画があると、希望が生まれます。

感動を味わいに、あなただけの一枚を探しに

ポーラ美術館展を訪れてみるのは、いかがでしょうか?

 

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左端に、ちょこん!と座る女の人の姿が、どこか母に似ていて好きでした。

キース・ヴァン・ドンゲン「ドーヴィルのノルマンディー・ホテル」(1925年)

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<絵画やアートが好きな方へおすすめの過去記事>

 

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