今回は、それらをモチーフにしたアート、
「6月」と聞いてすぐに思い浮かぶ作品を
ご紹介したいと思います。
芸術作品、文学作品は、どんなときも私に力や明るさを与えてくれます。
悩んでいるとき、落ち込んでいるとき、不安なとき・・・。
雨の多いこの季節、一筋の光が心に差し込むように、
心の窓をいっぱいに開けて、
作品世界を堪能してみませんか♪
☆6月に出会いたいアート☆
1、「真珠の耳飾りの少女」 ヨハネス・フェルメール
オランダの画家、ヨハネス・フェルメールが
30代前半で描いたと言われている名作。
制作年やモデルなど、この絵には様々な謎があり、
沢山の説がありますが、いまだ真相は明らかになっていません。
ともすれば、題名の真珠よりも存在感のある青いターバン。
これは、当時(17世紀)には、金よりもずっと高価であった
アフガニスタン産のラピスラズリという宝石を用いて描かれたものだそうです。
目が覚めるような青に、心が奪われます。
そのターバンの下で、なめらかな光を放つ大粒の真珠のイヤリングが
まるで少女の心を表しているかのように謎めいて輝いています。
たくさんの秘密を抱えるこの作品は、
今なお私たちの胸に美しい光を投げかけてくれます。
6月の誕生石、真珠を用いているからだけでなく、
暗闇の中で謎めいた微笑みをたたえるこの少女の姿は
どこか神秘的で、私が抱く6月のイメージにぴったりです。
ちなみにこの絵を制作した約10年後、フェルメールは
戦争や人気の低迷、パトロンの死去など
多くの不運に見舞われ
破産も同然で42歳の若さで亡くなっています。
「真珠の耳飾りの少女」もまた、競売にかけられ、
フェルメールと同様、運命に翻弄されましたが、
いまはオランダのマウリッツハイス美術館に所蔵されています。
↓↓フェルメールについて、もっと知りたい方はこちらの本をどうぞ↓↓
↓↓フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」にインスパイアされて
書かれた小説の映画化。
スカーレット・ヨハンソンの匂い立つような美しさが印象的な一作。↓↓
2、長楽館の紫陽花の絵
京都の東山区にある長楽館。
もとはタバコ王、村井吉兵衛の豪邸であり、伊藤博文も愛した建築物です。
設計はJ.Mガーディナー(1909年)。
扉を開けたところから広がる異空間・・・。(2018.11撮影)
優雅な階段はバロック様式が用いられています。(2018.11)
各部屋で趣が異なり、中国様式の部屋や美しい彫刻のある部屋、
バルコニーから庭園が見渡せる部屋など、
その多種多様な雰囲気は「建築の世界旅行」と言われるほど。
どの部屋も美しく、歴史が感じられる素敵な空間です。
私が最も気に入っているのは、紫陽花の花の絵がある部屋。
訪れた日は11月の木枯らしが吹く晩秋でしたが
夢見るような紫陽花の絵にうっとりしたのを覚えています。
紫陽花の季節に、絵の中に収められた紫陽花を眺めながら
ティータイム・・・なんて素敵じゃありませんか?
運が良ければピアノの生演奏も聞くことができます。
国内外のVIPが訪れ、伊藤博文の他にも
ロックフェラーやイギリス国王エドワード8世なども宿泊した長楽館。
その長い歴史を見守り続けた建物と、美しい紫陽花の花の絵を観に
足を伸ばしてみてください。
注)長楽館の営業時間についてはホームページをよくご確認ください。↓↓
3、 「招福ねこ暦 6月」 岡本肇
これは実家の6月のカレンダー。
猫好きが多い実家では、毎年、岡本肇さんのカレンダーを買っています。
かわいくて味のある猫たちの絵と、ほっこり温かい言葉に心なごみます。
この絵で描かれているのは、6月30日、
全国の神社で行われる夏越の祓です。
夏越の祓は、
茅の輪を八の字にくぐることで、半年間の心身の穢れを払うことができるという行事で
古くは疫病予防になると考えられてきました。
疫病や災害は、日々の罪、穢れが引き起こすものと考えられていた時代、
残りの半年間を健康で無事に過ごすため、
邪気を払うことは何よりも大切だったのです。
1000年以上もの間、行われ続けてきた神事。
当たり前が当たり前ではない今だからこそ
今年の6月30日は、
今を健康に過ごせることの感謝と
日ごろの穢れを払う気持ちを持ってみてはいかがでしょうか?
残りの半年間が平穏なものになるよう祈りながら・・・
☆コロナの影響で、今年は夏越の祓を自宅でできる環境もそろっています!☆
自宅で夏越の祓ができる!神田明神の生配信↓↓
2020年6月30日2時45分~Youtube
https://www.kandamyoujin.or.jp/event/detail/?id=12
夏越の祓に食べるお菓子、「水無月」
宮中では6月に暑気払いのため氷を食べる習慣がありました。
「水無月」は、氷が高級品だった時代、
庶民も食べられるようにと氷を模して作られたお菓子。
上に乗っている小豆は邪気を祓うと言われています。
和菓子もアート!!
古来の人々の想いがこめられた「水無月」をいただきながら
夏越の祓の生配信を自宅で見るなんていいですね☆
☆ご紹介した猫カレンダーは、こちら↓↓
岡本肇さんの世界観が味わえる一冊↓↓
茅の輪をくぐった猫たちは、無事に邪気を祓えたでしょうか?^^
(追記)マリーローランサン
画像参照:
画像参照:
柔らかで淡い作風から春を連想する人も多いと思いますが
私の中では断然6月。
美しい女性たちと白玉団子のような(?)真珠の飾り、
どこか謎めいた色合いは6月のイメージにぴったり。
女性らしく優しい色使いから、
マリーローランサンという画家の人生も
明るく華やかなものを想像しがちですが
大きな成功の裏には、2つの大戦に翻弄され、
亡命、離婚、自宅接収・・・と、様々な試練もありました。
74年間の生涯で、何があってもやめなかったたったひとつのこと、
それが絵を描き続けること・・・
ローランサンの意志の強さ、創作への情熱を感じます。
マリーローランサンの絵には、なぜこんなにも印象的に
真珠が繰り返し描かれるのか・・・??
単に好みだったのか、それとも技術的な計算があるのか・・・
いずれにしても、彼女の作品は、
観る者の心を華やかな光でいっぱいにしてくれることに間違いありません。
↓↓ こちらの記事で、マリーローランサンの絵画について書きました。
ぜひお読みください。↓↓
↓↓こちらの記事でマリーローランサンが描いたココ・シャネルの肖像画、
ルノワール、ユトリロなどの絵画を観た感想を書いています。↓↓
ぜひご覧ください。
☆最後に☆
以上、私の独断で6月のイメージや関連したアートを取り上げ
ご紹介しました。
少しでも心が明るくなるような写真や絵はありましたか?
梅雨が明ければ、いよいよ夏がやってきます。
新しい生活スタイルが求められるいま、
不安や落ち込みもあるかもしれません。
でも、どんな時も、「いま」を楽しみ、
「これから」にワクワクを見つけられるといいですね。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。