Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

100円で堪能できる穴場スポット?皇族も宿泊した迎賓館「旧山崎家別邸」

昨年、川越をぶらぶらと歩いているときに

たまたま通りかかった場所・・・

「旧山崎家別邸」

吸い寄せられるように中に入ってみると・・・

そこは、川越の老舗菓子屋「亀屋」の五代目

山崎嘉七の別邸でした。

建築物大好きの私は一気にテンションアップ!

2022年10月に訪れたのですが

今でも心に残っている素敵な場所だったので

ご紹介します☆

 

 

入館料は100円。

その日は残念ながらガイドツアーは終わっていたものの

ボランティアスタッフさんが、入館前に懇切丁寧に建物の

見どころを説明してくださいました。

 

大正14年に建てられたこの別邸は、国指定重要文化財です。

 

 

いよいよ別邸の中に入っていきます。

設計は、三菱丸の内赤煉瓦オフィス街の建設で知られる建築家・保岡勝也。

当時としては珍しい和洋折衷の住宅です。

隠居所であるとともに皇族方を迎える目的で建てられました。

 

 

入るなり目に飛び込んでくるのは

美しい和室。そして、その向こうに揺れる青々とした緑。

静けさが心に沁み渡るように思えました。

秋だけれど、ひとつ吊るされた風鈴に風情を感じます。

 

 

細部にまでこだわった美に、

心が洗われるように思いました。

 

アキザキモジズリ (日本盆栽協会川越市部 戸田平八郎)

 

 

障子の雪結晶模様もかわいい。

 

 

 

隣室には渋沢栄一が書いた掛け軸もあります。

 

こちらも、なんとも気持ちがいい和室。

ここに文机でも持って来て、つれづれなるままに日記を書いたり

読書をしたり、ばたーんと足を投げ出して寝そべって昼寝をしたりしたら

どんなに心地いいでしょう?

和風庭園に精通していた保岡勝也が設計した庭園を見ながら

お抹茶でも飲みたいところ。

残念ながら、いまのところはそのようなサービスはないようです。

 

 

庭園は平成23年に国登録記念物(名勝地)に登録されました。

 

サンルーム。

サンルームは、神戸の異人館や横浜の洋館を訪れると、

必ずと言っていいほどあるお部屋ですね。

ガラス張りの窓からさんさんと差し込む日の光を浴びながら

ゆったりと肘掛け椅子に座って

ハーブティーを飲んだり、語り合ったり、読書をしたり・・・

こんなお部屋が一室あるだけで、人生の質が、グンと上がりそう。

 

 

浴室

 

「あなたが身を縮めて、やっと入れるような小さな浴槽がありますよ」

ボランティアスタッフさんが、私の夫に、そう説明してくださった浴槽。

本当に小さい・・・・!

他のお部屋があまりに贅沢に作られているので

ますますこの浴室が殺風景に見えます。

お風呂にはこだわらない人だったのかしら・・・?

 

客室。

 

百年以上前の壁紙やカーテン、家具を

そのまま展示してあるのだときいて、びっくり。

 

 

なんだか不思議な気分。

もうこの世にはいない、でも確かにここに住んで

暮らしを営んでいた人々と、いま、

同じ空気を吸っているというような。

その時、ここで過ごした家族の温もりが

いまもそっくりそのまま残っているというような。

 

豪奢な窓辺は、まるで絵画のようです。

どこを見ても、心を奪われる美しさ。

 

 

 

客室や廊下にあるこれらのステンドグラスは、

全て別府ステンド硝子製作所の作品。

 

 

この建築物のシンボルともなっている2つのステンドグラス。

私が最も心を奪われたもののひとつです。

こちらは玄関脇の階段の下にあるものです。

目立たない場所にありながら、すごい存在感。

和風建築特有の暗さのある廊下で

この色とりどりの花々をつけた木は、

はっと胸を突きます。

南国風の木の向こうに見えるのは海でしょうか。

ずっと、このステンドグラスの前に立っていたくなりました。

これほどの美しい作品ですが作者は不詳なのだそうです。

 

 

そして、この建築物の中で最も大きいステンドグラス。

1階から2階に上がる階段の窓にはめ込まれたもの。

残念ながら2階は立ち入り禁止なので、

一階の階段下から眺めるしかありませんでしたが

それでもその鮮やかさ、美しさには圧倒されます。

小川三知「泰山木(たいさんぼく)とブルージェ」。

ブルージェという鳥が描かれた作品です。

こんな素晴らしいステンドグラスがあったら

ずっとここで見上げて過ごしてしまいそう。。

 

 

いったん邸宅を出て、庭に回ります。

木々が鬱蒼と茂った庭園。

くもの巣がいっぱいで、早々に引き返してしまいましたが

緑の木々の合間から見える邸宅の佇まいも素敵でした。

 

私が邸宅や別荘、洋館に惹かれ始めたのは

関東に移り住んだ4年ほど前から。

コロナ禍もあって、思うようには回れない時期もありましたが

それでも、美しい建築物に出会い、

幸せなひとときを過ごすことができました。

昔、誰かが住んだ場所には、不思議な空気、時間が流れている気がします。

日々の営みを、大切な家族と、あるいは一人で、

繰り返し積み重ねていく場・・・

それが住居。

壁や柱、天井、そこかしこに沁みついた何か

彼らがこの世で生きた跡のようなものを感じて

タイムスリップしたような、彼らと心で対話できているような

そんな気すらするのです。

邸宅や別荘、洋館は、私にとって、時空が歪んだような場所。

「『現在』と『過去』が繋がった空間」がそこにあります。

その気持ちを味わいたくて、

私はこれからも、洋館や邸宅を訪れたいと思っています。

さて、今年はどんな建築物に出会えるでしょうか?

 

今回の旧山崎家別邸は、偶然に通りかかった場所。

1783年から240年も続いている老舗和菓子店の五代目が

隠居所、迎賓館として建てた

この豪奢な別邸をたった100円で堪能できるとは

なんと贅沢なのでしょう?

映えスポットでもあり、私が訪れたときは、着物を着た若い女性たちも

風鈴の下で写真をパチパチ。

ぜひ、あなたにぴったりの過ごし方を見つけてくださいね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

近代埼玉の建築探訪

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