東京・スカイツリーから徒歩8分。
驚きの発見と楽しい展示物で大人も子供も楽しめる穴場
「たばこと塩の博物館」をご紹介します!
「ミティラー美術館コレクション展」も開催中です。(2021年5月16日まで)
企画展も素晴らしいですが、常設展もびっくりするほど充実していました。
これで入館料100円は安すぎ・・・
来る前は
「たばこも塩も、興味ないんだけど・・・」と思っていた私。
この博物館で、その魅力に目覚めてしまいました^^
今回は、常設展の魅力をお伝えしたいと思います!
現在開催中の企画展「ミティラー美術館コレクション展」(2021年5月16日まで)についての
感想とご紹介はこちらの記事で書きました。↓↓
あわせてご覧ください。↓↓
1、アクセス抜群!
「たばこと塩の博物館」があります。
たばこと塩の博物館から見えるスカイツリー!こんなに近くにあるんですねー
2015年に渋谷から移設され、リニューアルオープンしたという建物は、
とても立派です。
まずは出迎えてくれる喫煙の像。
早速、館内へ♪
まずは塩のエリアからご紹介します♪
2、ポーランドの世界遺産を間近で!!「聖キンガ像の祭壇」
塩のエリアで一番の目玉は、やはり、これでしょう。
岩塩彫刻、聖キンガ像の祭壇!!
「たばこと塩の博物館」にある聖キンガの像とシャンデリアは
特別許可を得てヴィエリチカ産の岩塩を使用し
ヴィエリチカ坑夫の彫刻家や職人たちによって制作されたもの。
聖キンガ像をモチーフに作られました。
ヴィエリチカ岩塩坑とは世界最古・ヨーロッパ最大の岩塩坑で、
世界遺産にもなっています。
なんと、「たばこと塩の博物館」に、こんなにすごい岩塩彫刻があるとは・・・
3、世にも不思議な聖キンガの伝説
更に、聖キンガについては、こんな不思議な伝説もあります。
簡単にご説明しましょう。
ハンガリー王女だったキンガ姫。
ポーランド王ボレスワフ5世との結婚がイヤで
あろうことか大切な婚約指輪をハンガリーの岩塩抗に投げ捨ててしまったそう。
ところが数年後、なぜかその指輪は400km以上も離れた
その地下を掘ってみると、広大な岩塩層が見つかり
おかげでポーランド王国は大繁栄。
そんな伝説から、
聖キンガは
危険な仕事に携わる岩塩坑の坑夫たちの守護聖人となったのだそうです。
ヴィエリチカで土地の代表より指輪を見せられ仰天するキンガ姫。ヴィエリチカ岩塩坑内の塩の彫刻。
画像:キンガ(ウィキペディアより)
4、坑夫たちの心の拠り所となった聖キンガ
一度足を滑らせたなら、地下深く掘られた穴に真っ逆さま・・・
そんな血の気もひくような岩塩坑の作業を生業とした坑夫たちは
常に死と隣合わせでした。
そんな彼らが作ったのが聖キンガ礼拝堂。
なんと礼拝堂にある全ての彫刻、
床、天井、壁、シャンデリアに至るまで全てが岩塩でできているそうです。
ひとつひとつ坑夫たちによって彫られた彫刻の数々。
彼らもまた、私たちと同じ人間。
恐怖も不安もあったでしょう。
今日一日の無事を願い、
また、大切な人を残して逝くことがあったならと
愛する人の幸せを祈ったかもしれません。
坑夫たちが心をこめて彫った彫刻は、
最大の見どころとして残され、
世界中の人が訪れるそうです。
聖キンガ礼拝堂のことは、この博物館を訪れて、
初めて知りました。
このコロナ禍が収束したら行きたい場所のひとつになりました。
それまでは、ヴィエリチカの坑夫たち・彫刻家・職人が制作した
「たばこと塩の博物館」の聖キンガに、
この世界の平穏を祈ることにしようと思います。
5、子供も大人も楽しめる!
生物と塩の関係、塩の作り方、塩の歴史やウユニ塩湖についてなど。
ありとあらゆる切り口で塩を捉えた「塩のエリア」は発見がいっぱい。
いたるところに音声ガイドやビデオ、触れる展示もあるので
大人も子供も楽しめること間違いなしです。
6、美しすぎる!神秘のたばこエリア
入るなり、巨大なレリーフの美しさに圧倒されます。
マヤ文明の代表的遺跡の一つ、バレンケ遺跡の「十字の神殿」は
たばこに関する最古の資料。
かつて、たばこは、その煙が天にのぼっていくことから
神々と人間を繋げてくれるものであり、
神々に捧げる神聖な植物だったそうです。
人々は神と自身を結び付ける手段のひとつとして
たばこを吸っていたのですね。
いまの「たばこ」のイメージとのあまりのギャップに驚愕です。
7、いまも昔も・・・人々を魅了する「オマケ」の秘密
19世紀のアメリカでは、たばこのオマケとして入っていた
「たばこカード」をコレクションすることが大流行したとか。
そう聞くと、グリコのオマケとかビックリマンカードを思い出すのは
私だけでしょうか^^
どの時代のどの国でも、「オマケ」というものに心が惹かれる心情というのは
同じなのかもしれません。
コレクションをする人々にとっては、ともすれば、たばこ本体よりも
大切な「オマケ」。
この時代の人々の密やかな楽しみの時を想い、思わず笑顔になりました。
ちなみに、こちらは日本のたばこカード。
ほぼ同じ時代に、海を隔てて同じものが流行し、
人々の収集意欲をかきたてた・・・とても興味深く思いました。
8、たばこ王・村井吉兵衛
たばこを吸わない私が、「たばこ」ときいて、まず思い浮かべるのが
「たばこ王・村井吉兵衛」。
明治の実業家で大富豪。
京都に迎賓館・長楽館を建てた人物でもあります。
伊藤博文、大隅重信も訪れた迎賓館・長楽館でのティータイムは至福の時です。
長楽館についての詳細と写真は、こちらの記事でご紹介しています。ぜひご覧ください↓↓
そんなことから、勝手にたばこ王・村井吉兵衛に親近感を持っていた私・・・
見つけました!村井さん!
日清戦争をきっかけに需要が伸びた紙巻たばこをめぐり
明治のたばこ王たちは激しい販売競争を繰り広げたのです。
アメリカの技術に目をつけた村井吉兵衛は
自ら渡米し、葉の輸入・機器の導入を積極的に行いました。
いち早くアメリカでの見聞きを始めた村井の
ハイカラでモダンな広告デザイン、斬新な宣伝方法は、
日本のたばこ業界に旋風を巻き起こしたのです。
村井吉兵衛のたばこ業界に賭けた想い、そして先見の明。
熾烈な闘いを繰り広げた明治のたばこ王たち。
その情熱を思いながら、京都の長楽館を訪れると
今度はまた、今までとは違った視点から建築物を見られそうです。
9、世界各国のたばこをめぐる奥深い歴史
「たばこ」と一言で言っても、かぎたばこ、水タバコ、パイプや煙管など
時代や国、その土地の風土や文化と密接に結びついて
様々な形態があります。
人々に愛され、生活の一部であったたばこが歩んできた
奥深い歴史に、ため息が出ます。
10、最後に
生物にとってなくてはならないもの、「塩」。
そして古くは神々と人を繋ぐものとして、
また人々の嗜好品のひとつとして常に身近にあった「たばこ」。
長い歴史と様々な文化の中で、
人々がこめた祈り、そして情熱。
それらに想いが至るとき、その奥深さに胸打たれました。
子どもも大人も楽しめる「たばこと塩の博物館」。
機会がありましたら、ぜひ足を運んでみることをおすすめ致します☆
現在、開催中です↓↓(5月16日まで)
<穴場スポット紹介の過去記事>