Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

一年ぶりの東京♪ミティラー美術館コレクション展(たばこと塩の博物館・押上)でインドの先住民アートに触れる

1、ただいま、東京!

先日、ついに東京へ行きました☆

なんと、一年ぶり!!

コロナ禍になってからというもの、

東京の人ごみや感染者数の多さが気になって、

足が遠のいてしまいました。

緊急事態宣言も解除され、

何より、私自身が自粛生活が我慢の限界!なのと

どうーーしても観たい展覧会があったこともあり

密を避けつつ、東京へ行くことにしました。

その展覧会とは・・・「ミティラー美術館コレクション展」(2021年5月16日まで)☆

 

久々の東京!!

やっぱり東京はワクワクとドキドキ、刺激とときめきを与えてくれる場所♪

東京が大好き!ただいま!東京!また、会えたねー☆^^

とはいえ、まだまだ油断できないので

展覧会を観たら飲食せずにまっすぐ家へ帰りました。

一日も早く、ゆっくりと心おきなく外出できる日が訪れますように。

今回は、私が観て来た展覧会「ミティラー美術館コレクション展」を

ご紹介します♪

 

2、ミティラー美術館コレクション展

 

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ミティラー美術館は、新潟県十日町市の雪深い森にある私立の美術館。

旧大池小学校の校舎を利用した建物では、インドのミティラー地方で3000年にわたって、母から娘へと伝承されてきた壁画「ミティラー画」、インド先住⺠族のワルリー族が描く「ワルリー画」、ゴンド族に伝わる「ゴンド画」、そして5000年以上の歴史を持つ「テラコッタ(素焼の陶器)」などを数多く収蔵している。

出展作は、美しい自然に囲まれた美術館のゆったりとした時間のなかで、インドから迎えた作家が制作した作品を中心に、伝統的な手法を守りつつも、現地の生活環境では生まれることのなかった創造性豊かな作品約90点を展示。

引用:

ミティラー美術館コレクション展(たばこと塩の博物館)|美術手帖

 

 

ミティラー美術館コレクション展は「押上」の駅から

徒歩10分のところにある「たばこと塩の博物館」で開催されています。

スカイツリーからは徒歩8分。

入館料は、驚きの100円・・・!

同じチケットで常設展も見れてしまいます。

ミティラー美術館コレクション展は、規模こそ大きくありませんが

普段は新潟の森の中の美術館かインドへ行かない限り観られない

存在感の溢れる温かく美しい貴重な作品群を目にすることができる

素晴らしい展覧会でした。

 

2、生と死を感じさせる木

展覧会場に入ってすぐ目に飛び込んでくる

ガンガー・デーヴィーの作品。

ミティラー画の第一人者であり

ピカソに匹敵するエナジー」と賞賛され

数々の栄誉賞を受賞しています。

 

この展覧会でも彼女の作品は数多く展示されていますが

最も胸を打った作品は、この「スーリヤムツキーの木」。

ガンガー・デーヴィーの遺作です。

 

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「スーリヤムツキーの木」 ガンガー・デーヴィー

1986年、乳がんから肝臓に転移した末期がんを克服するも

1991年、69歳で白血病で亡くなったガンガー・デーヴィー。

この絵は、亡くなる1年前、来日が叶い日本で描いたものだといいます。

未完でありながら、最高傑作。 

自分の人生の終わりを前にして、

彼女は何を想い、何を伝えようとしてこの作品を描いたのでしょうか。

この世に生を受けたことの幸せ、

そしてそれに対する心から湧き上がる喜びと

神への感謝・・・

そういったものが、作品からほとばしり、ひしひしと伝わってきました。

長く、うねりながらも真っ直ぐ天に伸びた幹は

ガンガー・デーヴィーという一人の人間の生き様、人となりを

あらわしているかのように思えます。

その木々の周りにはたくさんの鳥たち、生き物たちが

イキイキと楽しそうに集っています。

彼女はきっと、周りの人はもちろん、神に与えられたもの全て、

生きとし生きるもの全てに愛情のこもった眼を向けられる

そんな人だったのではないかと思います。

上の方にだけ、びっしりと描かれた木の葉。

きっと、キャンバスいっぱいにたくさんの葉を描こうとしていたのでしょう。

未完でありながら、その余白こそが、

私たちに「生きることの喜び」を語りかけてくる作品です。

人生の最後の一瞬までアーティストであり続け、

神への感謝と周りのものへの愛情を忘れなかった人。

いま、この絵の前に立ち、私たちはその生の輝きを受け取ることができるのです。

 

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「上限の月を食べる獅子」 ガンガー・デーヴィー  

 

ガンガー・デーヴィーの生涯の大半は

貧困と苦悩に満ちたものだったそうです。

深い信仰と芸術への情熱によって、それを乗り越えてきたガンガー。

新潟県のミティラー美術館の館長・長谷川時夫さんが

初めて観て衝撃を受けたのもガンガー・デーヴィーの作品でした。

長谷川さんは彼女の住む奥地の村へ行って、

対面を果たし、その時に言われた

「自分たちは貧しいので助けてほしい」という言葉で

ミティラー美術館の設立を決意したそうです。

ガンガー・デーヴィーがいなければ、インドから遠く離れた日本で

ミティラー画を観ることはできなかったかもしれません。

貧しさを乗り越え、そして病と闘い、決して信仰を忘れず、芸術を愛した人。

その生き方があらわれた彼女の絵だからこそ

国境を越えて人々の胸を打つのだと思いました。

 

3、ミティラー画いろいろ

 

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「チャクラ」 ゴーダーワリー・ダッタ 1990年

 他にも印象的な作品がいっぱいでした。

「チャクラ」は、なんだか観ていると引きづりこまれそうな不思議な絵。

 

 

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「クリシュナとラーダー」 カルプーリー・デーヴィー 2008年

インド神話に登場する美男美女の恋人たちを描いた美しい絵。

二人の表情は、特に笑っているわけでもないのに

仲睦まじい雰囲気や深い愛情が伝わってきて

私まで幸せな気持ちになれました。

 

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拡大図

作者のカルプーリーさんはスジーニー(刺し子刺繍)の作家としても

有名な方だとか。

細部までびっしりと緻密に描かれているところが刺繍作家さんらしいですね。

足元の木とそこにいる動物たちが

クリシュナとラーダーを祝福しているようで可愛いです。

 

 

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入れ墨画 作者不詳

 

 

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入れ墨画 作者不詳

インドではゴーダナ(入れ墨)は

吉祥をもたらす呪力があるとされており

死後の世界まで一緒について行くものと言われているそうです。

一生、守ってくれるお守りであり、死後のお供。

インドの人々にとって、入れ墨はファッションではなく

自分の分身のような存在なのかもしれません。

でも私は、この入れ墨画のあまりのかわいさに、

見入ってしまいました。

 

4、ワルリー画の魅力

 

インドの先住民族ワルリー族が描いた

ワルリー画はロックペインティングのような原始的な絵が特徴的。

特に胸に響いた作品をご紹介します。

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「村の結婚式」 ジヴヤ・ソーマ・マーシェ

ワルリー画は赤土の紅いキャンバスに

白一色で描かれた絵ばかりで、とても印象的でした。

顔が一切描かれていないのですが、

蟻のように小さく描かれた人間のシルエットから

なぜか人々の喜びがひしひしと伝わってきます。

人間だけではなく木々も踊ったり笑ったりしているみたい。

 

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拡大図

中央の三人で歩いている人(緑で囲った部分)の

真ん中が花嫁さんなんだって!

花嫁は恥ずかしがってなかなか家を出て花婿のもとに行けなくて、

友達や兄弟が無理やり引きずり出し、結婚式へ連れて行くところ。

初々しいなーと微笑ましくなりました。

インドでは結婚の儀礼が済むまで、お互いの顔を見ることができません。

花婿さんがハンサムで優しい人だといいですね。

 

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「カンサーリー女神(豊穣の女神)」シャンタラーム・ゴルカナ

最初この絵を見た時は、悪い奴がとっちめられているのかと思いました。

その逆で、左で驚いている男性は心優しい人。

山のてっぺんにいるのは豊穣の女神で、

不思議な竹籠からお米を次々と出し、男性に施してあげているのです。

それにしてもたくさんのお米ですね・・・

 

 

 

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太陽と月の拡大図

 森の中でひっそりと生きるワルリー族の描く

太陽や月の絵は、単純なシルエットながら美しく、

汚れなき心が写し出されているように感じます。

自然神を崇拝するワルリー族の一日は

太陽神を迎え入れるための儀式から始まるそうです。

ワルリー画に描かれる太陽や月はさりげなく描かれているのに

不思議と存在感があって

彼らの畏敬の念が伝わってくるのです。

 

 5、気づき、パワー、そして私たちは

 

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展示室は美しい絵画がズラリと並び、圧倒される。

 

 インドの先住民たちの絵の前に立っていると

不思議な感覚に包まれます。

まるでおばあちゃんに抱かれて、昔々の言い伝えを聞いて

うとうとしているような、そんな心地よい温かさ。

懐かしくて美しくて、心がほっとできる、そんな空間。

それはどこか大地の温かさにも似ていて

私たちが生まれる前にいた場所、死んでから行く場所

無限に続いている無限のループのようなものを思わせるのです。

 

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絵画の世界に身をゆだねて。

 

いつもは忘れていること。

大地があり、太陽が照り、雨が降り注ぎ、月や星が出て

木々が歌い、風がそよぎ、私たちは

生かされている。

何か大きな存在によって、生かされていて

自分はただ小さな自然の一部なのだということ。

私は宗教もスピリチュアルも信じませんが

こういう絵を見ているとそういったことをひしと感じます。

 

宇宙は空にあって、大地は地面にある。

私はいつもそう思っていたけれど、違うかもしれない。

本当はぜーんぶ繋がっていて、

争っている人たちも、憎しみ合っている人も

草木も動物たちも海も山も川も陸も

死んだ人も生きている人も、ほんとは境界なんてなくて。

誰もがいつかは死ぬけれど、それは怖いことでもなんでもなく

大地=宇宙に還っていくことなんだ、って

絵画の中から語りかけられているようでした。

現代に生きていることを忘れてしまうような

不思議な世界。

これが感じたくて、私はここへ来たのかな~と思いながら

ただただ惹きこまれました。

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本当は、境界線なんて、ないんだよね?

 

 

作品:「タルパーダンス」 1998年 ジヴヤ・ソーマ・マーシェ 

 

    

 6、最後に

インドの先住民族たちが描いた絵画の数々・・・

それは、生きていることの歓びと感謝、

神への畏敬の念を感じさせる素晴らしいものでした。

これらのものに触れることにより与えられる

ポジティブな力や宇宙との繋がりの感覚は

いまの時代を生きる私たちにたくさんのことを教えてくれます。

 

気付けば1時間以上もの時間を費やして見入っていました。

(注:さっと観れば15~20分ほどで観られる展示会です)

一部の作品を除き、写真撮影も可能で、

入場者には主な展示作品の写真と解説が載ったパンフレットも

無料でもらえます。

(パンフレットはミュージアムショップで120円で販売しています)

そして、常設展がまた、充実している!!

でも、常設展については、またの機会に。

これで入館料100円とは太っ腹☆^^

ミュージアムショップでは、ミティラー美術館コレクション展の期間中限定の

たくさんの面白いグッズも販売していました。

ポストカードはもちろん、インドの紅茶や

インドの先住民が一枚一枚描いた手書きの絵(660円)など。

お近くにいらっしゃる方は、ぜひ。

きっとこの展覧会ならではの気づきがあるはずです。

展覧会は2021年5月16日までです。

 

 

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。次回もよろしくお願い致します♪

「アシタダル・アリパン」1989年ガンガー・デーヴィー 拡大図

 

インド先住民アートの村へ

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  • 作者:蔵前 仁一
  • 発売日: 2019/06/10
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

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