桜の木にも、緑の葉が見られるようになりました。
季節はどんどん巡っていきます。
三省堂書店 神保町本店の存在は知っていました。
140万冊もの在庫を抱える超大型書店。
一度は足を運んでみたいと思っていたのですが
オミクロン感染拡大で、なかなか出かける気になれず。
そして最近になって、三省堂書店 神保町本店が閉店することを
偶然に知ったのです。
老朽化のために、建て直しを余儀なくされ移転するのだとか。
2022年3月下旬までで閉店とされていましたが
2022年5月8日まで延期されました。
ずっと愛されてきた昔ながらの三省堂書店 神保町本店の
最後の姿を見るのには、絶好のチャンス!
今しか、ありません!
というわけで、この度、初めて来店した三省堂書店 神保町本店について
ご紹介したいと思います。
1、神保町は古本の聖地!
人間ウォッチングも楽しい
古本屋が乱立しています。
昼下がりの日の光の中、屋外に出された真っ茶色に変色した本の山。
ガラス戸の向こうには、いかにも古めかしい分厚い書物が
うやうやしく書棚に並んでいます。
その奥に、眼鏡をかけたシワの深い偏屈そうな店主が座っていて・・・
という、まるで物語にでも出てきそうな店がいっぱい。
屋内外の古書を真剣な顔で読み漁っているご高齢の紳士たちは
知識人に見えました。
中には、ファッショナブルなスタイルに身を包んだ若者も。
年代物のアートな写真集を物色中の様子。
古本には全く興味のない私ですが、この街の雰囲気が大好きになりました。
人間ウォッチングが面白い!
そして、人から人へと渡り歩いて行く年代物の古本が彩る街の表情が、
他にはない魅力なのです。
2、老朽化のための閉店・・・?
そんな面白い通りに目を丸くしている間に
三省堂書店に到着。
そんなに老朽化しているようには見えないけれど・・・
と思ったら。
1981年開店。 つまり40年の歴史というわけです。
なんだ、私と、あんまり変わらないじゃない。
初めての来店ですが、一気に親近感が湧きました。
人間は40過ぎると、いろいろなところにガタがくると
よく聞くけれど、やっぱり建物も同じなのかなぁ。
3、本みくじ。
どこかの、だれかの、宝物
1〜6階までが三省堂書店。
さすがの品ぞろえですが、
本ばっかりのよそよそしい書店という雰囲気ではないのは
各階に設けられた工夫を凝らしたイベントや陳列コーナーのためでしょうか。
例えば、本みくじ!!
カラフルなブックカバーに目を奪われます。
ブックカバーに書かれているのは、いろんな書体の
「三省堂書店 神保町本店」という文字なのだそうです。
早速、おみくじを!
神社へ来たみたいで、ワクワク。
私は33番!
「50年を超える夫婦の軌跡を描く。
没後に発見された感動、感涙の手記。」
もうすぐ結婚記念日を迎える私にぴったりな本・・・不思議!!!
私たちは、まだ結婚十周年ですが、
50年も連れ添うって、どんな感じなんだろうと期待が膨らみました。
33番の本を持ってレジへ!!
ちなみに、おみくじは無料なので何回ひいてもいいそうです。
おみくじに書いてある説明を読んで
持っている本や、自分に合わない本なら、ぜひ引き直しを。
他にも、好きなブックカバーの色で購入するという方法も。
色とりどりのブックカバーの中から直感で選ぶのは
カラーセラピーみたいで、なんだか楽しいですよね。
家に帰って、カバーを開けてみました~☆
初めて知った作家の、初めて見る本!(無知ですみません・・・)
本みくじをひいてなければ、絶対、出会えなかっただろうな。
こういう出会いも、本みくじならではですね。
中には、お客様コメントが挟んでありました。
そう、この本みくじの本は全て、読者が選んだ「忘れられない一冊」。
見知らぬ人からのプレゼントみたいで、素敵。
作者の城山三郎さんご本人の亡き妻への愛情や深い想いをストレートに感じた作品です。これを読んで、自分自身が結婚したくなり、また結婚するときは、ここまでの想いを持てるようになりたい、と思いました。ちなみに、当時の彼女に一冊プレゼントしました。いまは仲良く2冊が本棚に並んでいます。
素敵なエピソードに胸がジン。
この本を手に取ったどなたかの、宝物のような本なのですね。
大切に読みたい一冊になりました。
3、楽しいフェアと、本日の購入本
その他にも、いろんなフェアやコーナーがいっぱい。
アウトレットコーナーでは
新品の単行本が、文庫本価格で売られています。
昨年、竹久夢二美術館を訪れてからというもの
気になり始めた夢二の絵と詩。
この本は夢二生誕125周年を記念して出版されたもの。
中は夢二の挿絵(色なし)と詩や日記、エッセイが、ぎっしり!!
ずっと読みたくて、でも本屋さんで見かけないので
買うのを後回しにしていた本。
名作「たんぽぽのお酒」の続編。
1階の「 お客様おすすめフェア」「著名人おすすめフェア」は、
一冊ごとに紹介者のコメントがついていて、
見ているだけでも楽しい!!
この本の一冊一冊に、広い、深い世界があるのだと思うと
ワクワクしてくるのです。
私は子の無い人生 (角川文庫)を買いました。
「負け犬」という流行語を生みだした酒井順子さんの本。
紹介者は武田砂鉄さん。
テーマ:とにかく何度も読み直す本
「いろんな生き方があっていいと、あちこちで聞くのに、実際にはそうなっていないのはどうしてなのか。読んでいると、いくつもの問いが浮上してきます」(武田砂鉄さんのコメント)
私も夫婦二人暮らしなので、いろいろ考えさせられそう。
ほんとはもっともっと買いたかったのですが、
なにぶん、重い荷物が苦手なのでセーブしました。
面白そうな本をたくさんメモってきたので、
残りはアマゾンで買う予定・・・☆
その他、閉店セールで文房具や雑貨が20%オフだったり、
お得感いっぱい。
あっという間に楽しい時間が過ぎていきました。
5、最後に ~愛され続ける本屋と、新しい私
三省堂の近くの道を歩いていると、
若い2~3人連れのグループが談笑しながら歩いていて
「あ、次、本屋、寄って行ってもいい!?」
と言いながら三省堂書店に入って行きました。
それが一組だけじゃなく、カップルや中高生っぽい人たちまで、帰るまでに何組も。
ああ、こうやって、この本屋は、本好きの人は勿論のこと、
活字離れと言われる世代も含め、
いろんな客層に愛されてきたのだなあと思いました。
多くの人々の思い出の場所であった三省堂書店は、移転し、
数年後に新しい姿に生まれ変わります。
40年間、おつかれさま!
人間の場合、建て直しできなくて
一生涯、自分の身体と付き合っていかなくてはならないけれど
人生は、いつからでも、新しい気持ちで歩み出すことはできる!!
生まれ変わったピカピカの三省堂書店に足を運ぶときは
私自身も、ピカピカの気持ちで、
そして、いまよりも、もう少し、
自分に自信を持てる私でいられたら、いいな☆
若葉の季節も、もうすぐそこ!
木々がイキイキしているのを見ると、心も上向きになります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました☆
もうすぐ、大切な人に本を贈り合うサンジョルディの日!
今年は、どんな本を贈ろうかな??