2020年もあと2か月を切りましたね。
今年はどんな1年でしたか?
どの人の記憶にも残る新型感染症との闘いの年。
でもその不安の日々の中で、
自分が当たり前に持っていた幸せを改めて感じたり
人の優しさに気付けたり
自分としっかり向き合えたり・・・
そんな一年だったと思います。
今日は、コロナの逆境を乗り越えて美しく咲き誇るバラたちを
ご紹介したいと思います。
☆つぼみを全て切り落とした今春のバラ園
与野公園のバラ園は180種3000株の薔薇が栽培されていて
毎年多くの人の目を楽しませてくれます。
ところが今年4月、
バラ園内の全てのつぼみを摘み取る剪定作業が始まったとの
ニュースが流れました。
<新型肺炎>心の中で涙…開花前のバラ3千株を摘み取り バラの名所・与野公園、昨年は16万人が来園
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、さいたま市中央区の与野公園で22日、バラ園のバラ約3千株のせん定作業が始まった。同公園はバラの名所として知られ、多くの人が来園する恐れがあることから、公園を管理する市は、咲き始める前につぼみの段階で摘み取ることを決めた。
造園業の男性(38)は既に中止が決まっている「ばらまつり」に向けて、草取りなどの手入れを続けてきた。「ばらまつりがなくても咲かせたかった」としながら、「花は来年も咲きます。命の方が大事ですから」と黙々と作業を進めていた。
中央区バラサポーター会長の井原正さん(65)は、年間を通して大事に育てているだけに「憎っくきコロナ。咲く準備をして、さあ咲くぞというときに取っちゃう。心の中で涙を流してます」と話していた。
抜粋:
<新型肺炎>心の中で涙…開花前のバラ3千株を摘み取り バラの名所・与野公園、昨年は16万人が来園
愛情をこめて大切に世話をしてきた薔薇を、
開花直前に切り取らなくてはならない・・・
どんなにか無念で悔しかったことでしょう。
サポーターや造園業の方々の言葉が生々しく、胸が痛みました。
一方で、与野公園のホームページには、
2020年の「ばら祭り」中止のお知らせとともに、こんな言葉も。
開花前のせん定は、バラの木の形状を整えるだけでなく茎に養分を蓄えることができ、今後に向けてよい芽ができて、きれいな花を咲かせることにつながると考えており、よりきれいなバラの花を皆さんに楽しんでいただけるよう、手入れを行ってまいりますので、ご理解をお願い致します。
引用元:
悲しみや悔しさの中でも、一筋の希望を投げかけるこの言葉に、
心が救われる気がした人は私だけではなかったはずです。
いつ終わるかわからない自粛生活の中で、
「美しい秋の薔薇を見られるかもしれない・・・」
という楽しみを与えてくれました。
☆コロナを乗り越えた薔薇を見に・・・!
春に、このニュースを見てから、
秋になったらきっと行こうと思っていた与野公園のバラ園!
満開です!
一般的に、春バラよりも秋バラは、花は小さめで
花数も少ないと言われています。
でも、充分たくさん咲いてくれている!
春に全て蕾を切り取られたなんて信じられないくらいです。
この美しさは、春の剪定で茎が養分を蓄えたからなのでしょうか?
それとも、春に咲かせられなかった分、
バラの花が精一杯花びらを開いたのでしょうか?
お世話をした方々の愛情が薔薇をますます美しくしたのかもしれません。
人は多くはないですが、
子供連れのご家族や一眼レフを持ったご老人たち、
笑顔のカップルたちが思い思いにバラの花を楽しんでいました。
こうして花を愛でることができるというのは、本当に幸せなこと。
まだ油断はできないとはいうものの、
美しいものを美しいと感じられる心の余裕があり、
その余裕が持てる、いまの平穏な環境に感謝です。
屋外といえど、歩いている人は、みんなマスクをしています。
香りが強いのも秋バラの特徴のひとつ。
近くに誰もいなければマスクを外して
バラの香りを胸一杯に吸い込みます。
花々からのパワーをもらって、エネルギーチャージは万全です☆
☆バラの花の後ろ姿は美しい
与野公園のバラは背が高くて、
見上げるような株もいくつかあります。
それで、はっとしました。
後ろ姿が、美しい・・・!!
思い出しました、私はバラの後ろ姿が大好きなんです。
高校時代、友人と行ったバラ園で
たまたま後ろ向きに咲いているバラを見た時
バラは正面も横顔も華やかで優雅で綺麗だけど、
後ろ姿は切なげで、可憐で、また違った美しさがある・・・・
と感動したのです。
それ以来、バラの花を見ると後ろに回って
後ろ姿を見るようになったのですが、
最近、背が低い薔薇ばかり見ていたせいか忘れていました。
「美しい人は後ろ姿も美しい」
「後ろ姿に生き方があらわれる」
そんな言葉を聞いたことがあります。
花も後ろ姿に表情がある気がします。
悲しみ、悔しさ、寂しさ、辛さ・・・
人生にはいろんなことがあるけれど、
それを受け入れ、乗り越えた先には
こんな美しい花を咲かせられるときが来るのかもしれません。
そして、苦しみを、強さや優しさに変えることができたときにこそ
人を元気づけられる美しさを得ることができる・・・
バラの後ろ姿は、そんなことを教えてくれました。
☆最後に
コロナ禍で春には開花前のつぼみをバッサリ切られてしまった
与野公園のバラたち。
秋には、美しい大輪の花で、私たちの心を楽しませてくれました。
この美しさの裏には、毎日愛情をこめてバラの世話をされている方々の努力と
春、心の中で泣きながら蕾を切り取らなくてはならなかった涙が
秘められているのです。
この秋に、こんなに綺麗な薔薇を愛でることができた幸せに
心から感謝しながら、
これからのこの世界が、より平和で安全なものとなりますようにと
祈らずにはいられません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
注)今回の記事の写真は全てMiyukeyが2020年10月31日に
撮影したものです。
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