Miyukeyの気まぐれブログ

愛媛県在住のアラフォー主婦です。本、洋画、訪れた場所などの感想を気まぐれに、かつ自由に綴りたいと思います☆笑顔の扉の”key"を見つけられる毎日になることを祈って♪現在は、仕事繁忙期のため月に2回の更新となっていますが、よろしくお願いいたします☆

この世でやり残したこと、なんですか?映画「神様メール」で学んだこと


もし、神様から自分の余命を知らせるメールが届いたなら

あなたはどうするだろうか。

 

カラフルで、お洒落で、ラストにはほっこりできる

ファンタジーコメディ、

「神様メール」を紹介する。

 

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 神様はベルギーのアパートに住む意地悪な中年男性。

暗い部屋で、たった一人、パソコンで人々の運命を操っている。

なんと神様の大の楽しみは人々に嫌がらせをすること!!

しかも、おとなしい妻や10歳のかわいい娘エアには

暴力をふるって威張りくさっている。

ある日、エアは、父親である神様の部屋に忍び込み、

パソコンを駆使して、下界の人間たちに

余命を知らせるメールを送る。

悲しみと混乱に陥った下界を救うため、

エアは人間の世界へと旅立つ。

 

「もし余命がわかったなら?」という問いを投げかけつつ、

6人の人々の命との向き合い方を描く本作。

6人全員がそれぞれの幸せを見つけていくラストには、

心が温かくなる。

 

 

「ウィリーと私は こう決めた

日々を月曜、火曜・・・と呼ぶのではなく

1月、2月、3月・・・と呼ぶことを

1週間で7か月生きたことになる」

 (余命わずかな少年ウィリーと過ごすエアのセリフ)

 

余命いくばくもない少年とエアは、

こんなことを思いつき、

一日一日を精一杯、充実させて生きる。

日々の忙しさの中で、わたしたちは小さな悩みや煩わしさ、不安にかられて

一日を終えてしまうことも少なくはない。

でも、もし明日、自分が死ぬとしたら?

その悩みや不安は、本当に必要なのだろうか。

ささいなことに頭を悩ますよりも、

今、この時を、精一杯生きて、

誰のためでもない、自分のために

思い切り笑い、感動し、心を震わせ、楽しむことが

何より大切なのではないか。

エアと少年ウィリーが過ごしたように

1日が1か月と呼べるほどに濃い充実した日々なら、

どんなにいいだろう、と私は思った。

今日からだって、きっと遅くはないはずだ。

 

「飛べるのに なぜ公園から出ない?」

「”あなたこそ なぜ?”って」

 (自分らしさを求めて仕事を辞めた男性が

エアを介して鳥と会話する場面でのセリフ)

 

つまらない仕事、好きではない仕事をし続けていた男性は、

優秀だったけれど、幸せではなかった。

余命がわかってから、男性は仕事を辞めて

公園のベンチに座りこんで動かないことに決める。

そこで鳥にエサをやり始める。

一羽の小鳥がなついて、毎日男性のそばに飛んできて離れなくなる。

ある日、神の娘エアを介して鳥と話をした男性は、

その小鳥に、

「飛べるのに なぜ公園から出ない?」

と尋ねる。小鳥は

「あなたこそ、なぜ?」

ときく。

男性は、やっと、自分だって、実は自由なんだと気付く。

鳥は羽があっていいよなーと思っていたけれど、

自分だって、見えない羽を持っているのだと。

会社に、ベンチに縛りつけていたのは、

ほかでもない自分だったのだ、と。

彼は、世界中の冒険に出る。

与えられた時間を使って、見たことのない景色を見、

行ったことのない土地で心を震わせるのだ。

 

今、この場所に自分をしばりつけているものは、なんだろう?

人生には、たくさんの「縛り」はあるだろうけれど、

与えられた日々の中で、

本当は持っているはずの「羽」を、「自由」や「可能性」を、

忘れたくはない。

自分で自分をしばりつける人生にだけはしたくない。

この映画を観て、心からそう思った。

 

「人生はスケート場だ

 大勢が滑って転ぶ」

 

人生で、大切なこととは、なんだろう。

もし余命がわかっていたら、何をするだろうか。

人間は死に向かって生きているのだから、

本来、この一分一秒も死に近づいていっている。

けれど、普段は、皆、それを忘れてしまっている。

挑戦したくても、失敗が怖くて一歩が踏み出せない人もいるかもしれない。

でも、この映画のセリフにあるとおり、

「人生はスケート場」だ。

成功した人でも最初は転んだし、転んでいるのは自分一人ではない。

恥ずかしいこととは思わず、痛かったとしても笑って立ち上がればいいのだ、

ということを、この映画は教えてくれる。

 

余命わずかな主人公が生を見つめなおす映画は数多いが、

この映画は異色であると思う。

まず、神様がアパートに住んでいて、超意地悪で横暴、

パソコンで人間に嫌がらせする、という設定からし

ぶっ飛んでいる。

色彩豊かでファンタジー色の強いアートな映像も魅力的だ。

また、フランスの大女優カトリーヌ・ド・ヌーブが

満たされない主婦を演じ、ゴリラと恋愛したり、

アメリ」や「女の一生」のヨランド・モロー

おとなしく気弱な妻を演じていて、

コミカルで笑えるシーンも多い。

 

「死」を見つめることは、「生」と向き合うことだと思う。

「与えられた今」を、どう過ごすのか?

明日、来るかもしれない「終わり」に、悔いはないのか?

「神様メール」を観て、たくさんのことを考えさせられた。

 

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自らが持つ「羽」に気付いた男性は冒険に出、幸せを見つける。

 

ムームードメイン

 

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この世界で死ぬまでにしたいこと2000(ライツ社)

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