2016年公開の映画、「世界から猫が消えたなら」。
突然に病で倒れた主人公(佐藤 健)は、
自分の死期が一週間後に迫っていることを知る。
悪魔から
世界から何かひとつ物を消すたびに1日寿命が延びる
という提案をされた主人公は、
生きるために、ひとつずつ物を消していく。
電話、映画、時計・・・そして、猫。
それに伴う全ての思い出や記憶も、人々の中から消えてしまう。
映画のレビューや、口コミなどを見て、
こんなに好き嫌いの別れる映画も珍しいと思った。
が、観終わった後の私の感想は
こんな素晴らしい映画に出会ってよかった!!
だった。
まず、出演俳優が、みんなそれぞれに良い味を出していて
巧い。
また、登場する猫が可愛くて、猫好きの人にはたまらない作品である。
生と死。そして温かい思い出。
青年の人生に寄り添った人々の優しさ。
青年が、もうすぐ来る自らの死を受け入れるまでの物語。
北海道の美しい街、函館を舞台に繰り広げられる
愛、別れ、死、家族の絆、恋、友情が描かれる。
もし、あなたが余命いくばくもなく、
世界から何かを消すたびに一日、寿命が延びるとしたら、
どうするだろうか?
何を消すか?それとも、何も消さないで、すぐに死ぬか。
私ならどうするだろう?
人々の中から、記憶を消してまで
1日1日寿命を延ばすだろうか?
死ぬのは、とっても怖いけれど、
でも、もし大切な人との絆が失われていくのなら、
私はやっぱり、その日に死んだほうがいいのかもしれない。
記憶の中でこそ、人は生き続ける。
胸の中の想い出の中で、人は生きてゆけるのだと思う。
たとえ死んでも、ずっと。
温かくて、切なくて、大切なものを思い出させる素晴らしい一作。
☆注:昔飼っていた猫が、
映画の中に出てくる猫にそっくりだったこともあり、
私は中盤くらいから、ずっと号泣していました。
顔が変わるほど、苦しいほど泣いてしまいました。
涙もろいタイプではないのですが・・・
猫好きの方、泣きやすい方、泣くと顔が変わる方は
ご注意ください☆(^^)